「老いた親に介護をすすめたいけど言いづらい...」うまくいく人がやっている1つの伝え方
「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。 ● 老いた親に介護をすすめたいけど言いづらい... 「介護を受けるのは恥ずかしいことじゃないよ」。足腰が弱まるなどして、日常生活に支障をきたした親に、介護をすすめる声かけです。この伝え方の通り、介護を受けるのは恥ずかしいことではありません。 たとえば、85歳以上では約60%の方が、なんらかの介護・支援を受けています。とはいえ、高齢者の多くは「人様の迷惑になりたくない」という気持ちが強く、「まだなんでも自分でできるから」と、提案を突っぱねてしまうことが多いです。すんなりとはいきません。 こんなときは「できることは自分でやりたい」という親の気持ちを尊重する伝え方をしてみてください。たとえば、介護をすすめる前に「介護ってお願いしたことだけ手伝ってくれるんだよ。お母さんが『手伝ってほしいこと』と『自分でやりたいこと』を教えて」と聞いています。このように聞くことで「自分でやりたいことは自分でできる」のだと理解できます。 また「自分でやりたいこと」と「助けが必要なこと」を切り分けられます。「なんでもヘルパーさんに手伝ってもらうわけではない」と理解できれば、前向きな気持ちで、介護サービスの利用を検討してくれるはずです。「自分でやりたいことをやるためにも」、介護は必要な助けであることを伝えましょう。 介護については「あのとき、親を説得できていればよかった」と後悔してしまうケースが少なくありません。粘り強く親に向き合っていただければと思います。
萩原礼紀