洋服の「食べこぼし染み」キレイに消す洗い方の“ガチ技” プロの洗濯家が”家庭の洗濯機+洗剤"で洗ったらこうなった! 押さえておきたい「洗い方のコツ」
また、「漂白剤で付け込んでから洗濯する」という使い方をする人も最近はよく見かけますが、本来の使い方と逆です。 洗剤で汚れをきちんと落とす前にいきなり漂白剤を使うのは、漂白剤のムダになりますし、これもまた変色や色落ちなどのトラブルも起こしやすくなります。 繰り返しになりますが、まずは洗剤で落とせる汚れをきっちり落とします。それでも、今回のように色素が残った場合に初めて漂白をします。 こうすることで、変色などのリスクも減らせますし、ムダに漂白をしないですみます。また、色素に対する漂白自体の効果も出やすくなります。
■結果「カレー染み」はこうなった! 漂白後は、もう一度洗濯をして終了です。いかがでしょうか。 洗濯をする服は、どんな素材か? 色か? 仕立てになっているか? を詳細にしていきます。 こうすることで、服を傷めない範囲が明確になり、そのなかで目一杯汚れを落とすことを考えられるので、服をおかしくすることなく、キレイに汚れを落とすことができるようになります。 服には、それぞれ洗える強度の限界があります。だから、汚れにフォーカスをするのではなく、必ず服を中心に洗濯を考えていくことが大事です。
そしてもう1つ大事なのは、「いつ、どんなときにどう着る服か」をまず考え、洗濯がいいのか、クリーニングがいいのかをきちんと仕分けをすることです。もう1つの例をご紹介します。 どのように着るか? をお聞きすると「仕事で使いたい。ジャケットの下に着る感じ」と教えていただきました。 現代のTシャツは肌着として着るというより、このTシャツのようにビジネス着として着るケースが珍しくありません。そうであれば、特に、色柄や清潔感を保った洗い方と、きちんとしたプレスが必須です。
カジュアル化が進んだからといって、ヨレヨレでもよくなったわけではなく、着るシーンを考えれば、身だしなみは整える必要がある。すると、「クリーニングが向くTシャツ」ということになるのです。 このTシャツのクリーニング代は、いわばビジネスをするうえで必要経費です。 ■Tシャツをクリーニングは「必要経費」 「Tシャツをクリーニングする? そんなのもったいない」と思うのは古い感覚だと僕らは考えます。 今の時代の服の着方や役割を考えたとき、Tシャツは下着や肌着としてではなく、外着として着るものも多いからです。そうであれば、Tシャツをクリーニングし身だしなみを整えるということは当たり前で、至極真っ当な行動だからです。
服に対する認識をアップデートしていきましょう。 身だしなみを整えると見え方も違います。周りにシワシワのシャツを着ている人はいませんか? その人はどう見えますか? そうならないためにも、同じTシャツといえども、「いつ、どんなときにどう着る服か」を考えて、洗い方をしっかり見定めてほしいと思います。
中村 祐一 :洗濯家 国家資格クリーニング師