起業家や芸術家ら超一流から「成功の秘訣」を聞き出すための、12の「正しい質問」
成功の秘訣を探る効果的な3つの質問
専門家と話をするときは、3つのカテゴリーで質問を考えるといい。 それは「道のりの質問」「プロセスの質問」「発見の質問」である。 <道のりの質問> 「道のりの質問」は、2つの目標を達成するようにつくり上げる。専門家の成功への道のりを掘り起こすことと、新人の頃の経験を思い出してもらうことだ。何も知らないところから、今の地位に辿り着いた専門家の軌跡がわかれば、自分もその道を辿るためのヒントが得られる可能性が高い。専門家に、その道に入った当時のことを振り返ってもらうと、当時の考え方を思い出しやすくなるので、より有益な助言がもらいやすくなる。 専門家に道のりを尋ねる場合、次のような質問ができるだろう。 ・誰(の作品)を読んで、見て、研究して、仕事を学びましたか? ・最初の頃、どんな失敗をしましたか? ・あとで大して重要ではなかったとわかって、あんなに時間をかけなければよかったと思うことはありますか? ・これまでの教訓から、自分はどのような指標に常に注意していなければならないと思いますか? <プロセスの質問> 「プロセスの質問」は、専門家のやり方の核心を突くものだ。仕事を成功させるために、具体的にどのようなステップを踏んでいるのかを探ることで、彼らの仕事へのアプローチを明らかにすることを目指す。この質問の答えからは、複雑な仕事の組立が明らかになるので、リバース・エンジニアリングを行ううえで特に重要である。 なお、仕事のやり方についてあまり広範な質問をぶつけても、部分的な情報しか得られないことが多いことを覚えておこう。これまで見てきたとおり、専門家の頭の中では多くのことが無意識のうちに行われていて、自分の行動に意識が向けられていない。 したがって質問は一般的すぎず、具体的すぎないようにすることが重要である。 専門家にプロセスを尋ねる場合、次のような質問ができるだろう。 ・あなたのプロセスに関心があるんです。最初にどんなことをするんですか? 次は? そしてそのあとは? ・アイデアや戦略は、どんなときに湧いてくるんですか? ・計画はどのように立てていますか? ・(計画・製作・提案)するときの日々のルーティンは、どうなっていますか? <発見の質問> 「発見の質問」では、専門家が最初はどのレベルを目標に掲げていたかに重点を置いて、今の視点で見たレベルと比較してもらう。予期しなかった質問に専門家の注意を向けることで、彼らに今のあなたと同じ目線に立ってもらい、キャリアを始めた頃には得られていなかった貴重な洞察について考えてもらえる。 専門家に発見を尋ねる場合、次のような質問をしてもいいだろう。 ・振り返ってみて、いちばん驚いたことは何ですか? ・このキャリアをスタートさせる前に、知っておきたかったことは何ですか? ・予想していなかったことで成功するにはどんな要素が絶対に必要だとわかりましたか? ・今それをやるとして、やり方はどんなふうに異なりますか? これらの質問で集めた情報は、人によって異なることを覚えておいてほしい。成功が保証されているたった1つの突破口を探しているわけではないし、そんなものは存在しない。解き明かしたいのは、尋ねる相手が成否を分けると考えている要素だけだ。 ロン・フリードマン