JFE商事エレクトロニクスと大阪大学、小型軽量ミリ波レーダで建築物の外壁内部欠陥検出。小型ドローンでの診断に道筋
JFE商事エレクトロニクス(社長・柳澤孝彰氏)は7日、大阪大学と共同で、小型軽量ミリ波レーダを使い非接触・非破壊で建造物外壁内部の欠陥を検出する実験に成功したと発表した。2021年の実験時からミリ波レーダの重量を3分の1に減らすなど改良しており、ドローンによる構造物やインフラ設備の点検で実用化を図っていく。 J商エレと阪大は、ドローンを活用した外壁点検で内部の欠陥も測定できるよう実証を図ってきた。今回の実験では21年の1号機で1300グラムだったミリ波レーダの重量を435グラムへと軽量化。小型ドローンでも搭載できるようにし、飛行の安定性が高まることでレーダのアンテナ部を壁面に近づけ測定しやすくした。 また周波数範囲を高速変化させる技術を開発し、測定時間を従来の数秒を1ミリ秒(1千分の1)へと短縮。ドローンの揺らぎが生じにくくなり、より精緻な測定を可能としている。 実験は大阪大学大学院基礎工学研究科の永妻忠夫教授、易利助教、大学院生の小藪庸介氏、王雅ヒョン氏などと共同で行い、台湾で今週行われている国際会議「アジア・パシフィックマイクロ波会議」で成果を発表した。永妻教授は「自立飛行型ドローンや遠隔ロボットなどと開発したレーダ技術を組み合わせ、実用化に向け研究開発を一段と加速したい」とコメントしている。 J商エレはドローン活用非破壊検査事業化チーム(INDD)で同プロジェクトに取り組んでおり、今後はミリ波レーダを搭載したドローンやロボットで建築物に対し2次元平面で広域走査するための技術開発や実用化を進めていく。