Oasis、再結成ライブに向けて辿る軌跡 『30周年特別展』は“全世代のファン”に最適な内容に
Oasisのデビュー30周年を記念した展示会『リヴ・フォーエヴァー:Oasis 30周年特別展』が、11月1日から23日にかけて六本木ミュージアムで開催される。一般公開に先立ち、10月31日にプレス内覧会が開かれた。 【写真】『Oasis 30周年特別展』、会場内の展示 今年8月に再結成を発表したOasis。2025年7月からはイギリスを皮切りとした16年ぶりとなるワールドツアーを開催。その後、アナウンスされたアメリカツアーも即完するなど、来日が期待されている日本を含め、熱狂は収まるところを知らない。そんなベストタイミングで行われる今回の展示会は、バンド愛用の楽器や直筆の歌詞、バンドの初期のアイコニックなポスターなど、200を超える英国事務所所蔵の貴重なアイテムを展示。再結成ライブを前に、改めて彼らの軌跡を辿ることができる内容となっている。 会場は大きく分けて、「イントロダクション」「第一章」「第二章」「第三章」「第四章」「シアター」「エピローグ」の内容で進んでいく。バンドのバイオグラフィ、展示会のタイトルにも冠されている「Live Forever」、「Supersonic」といった代表曲の歌詞、デビュー30周年ロゴまでを辿る「ロゴ・ヒストリー」を経て、いよいよ本編がスタートする。 「第一章」はOasisのバンドヒストリー。1994年にリリースされたデビューアルバムであり不朽の名盤『Definitely Maybe』から、2009年の活動休止までの間に発表された7枚のアルバムを年代順に追いながら、貴重な展示とともに巡っていく。初来日公演の行程表にはメンバーの当時の宿泊先まで記載されている。また、コーナー全体がマンチェスターやロンドンのストリートを歩きながら巡っているようなイメージのデザインとなっており、ギャラガー兄弟がデビュー前から通った地元・マンチェスターのレコード店名、2ndアルバム『(What's the Story) Morning Glory?』のジャケットが撮影されたストリート名などがデザインの中に潜んでいた。 「第二章」では、バンド愛用の楽器や彼らが登場した数々の雑誌、受賞トロフィーなどがずらりと並ぶ。コーナーの一角にはタンバリンがかけられたマイクスタンドが立っており、リアム・ギャラガーになりきって記念写真を撮ることもできる。 大量のポスター、ジャケット、ライブ写真、フライヤー、チケット、ツアーパスなどが並ぶ「第三章」。いしわたり淳治氏によって再構築された新たな対訳とともに名曲を紹介していく「第四章」、当時の貴重なライブ映像を放映する「シアター」。さらにラストの「エピローグ」では、あらゆる世代に希望と勇気を与えている「Don't Look Back in Anger」を紹介。豊富なラインナップが並ぶグッズショップを超えると、フォトスポットがあり、『Definitely Maybe』ジャケットや「Live Forever」MVのワンシーンを再現できるトリックアート風セットが登場していた。 展示会を巡って感じたのは、当時リアルタイムで熱狂していたファンのみならず、活動休止後、または再結成の吉報の後にファンになった人々にとっても彼らの軌跡を追体験できる充実の内容だということ。今から期待される来日公演に向けての、復習、または予習に最適の展示会と言える。
渡辺彰浩