「神の子」乗せただんじりを何度も激しく横倒しに 直角に倒されても、怖がりもせず太鼓と鐘を鳴らす 島根県の離島で8年ぶり、漁師町を練り歩く「恵美須祭の風流」
勇壮なだんじりが漁師町を練り歩く「恵美須祭の風流」が3日、島根県海士町崎で8年ぶりに営まれた。神の子と呼ばれる男児4人を乗せたまま、60人の担ぎ手がだんじりを何度も横倒しにして、集まった200人以上の観衆を沸かせた。 【動画】激しく倒されるだんじり 神社ではだんじりを階段の上から滑らせる
町指定無形民俗文化財の通称「崎村だんじり」は、江戸時代後期、西宮でだんじり祭を見た船乗りが伝えたという説がある。かつては正月の十日えびすに合わせて営まれた。 1955年ごろを最後に途絶えたが、89年に復活し、五輪のある年にだんじりを出すことが決まった。新型コロナウイルスの影響で2020年は中止となり8年ぶりの開催となった。 ベテランの音頭取りが伊勢節をうたい、担ぎ手が一斉にだんじりを持ち上げて女性陣30人が「チョーサイタ」とかけ声で盛り上げた。担ぎ手たちはだんじりを時計回りに動かした後、直角に倒した。だんじりの柱に縛られた小学生4人は激しい動きに怖がりもせず、太鼓と鐘を鳴らした。 神の子となった福井小学校5年の男子児童(10)は「持ち上げられると、怖いよりも楽しい思いが強かった」と話した。米・ハワイから訪れた写真家のレイラ・ダイアモンドさん(58)は「最高に素晴らしい。若い世代に祭りを伝えるのは美しい」と笑顔で話した。