チェコの体操選手・チャスラフスカの物語を人形劇に「生涯をかけて貫いた信念と勇気、そして友情を感じてほしい」
今から60年前、1964年(昭和39年)の東京オリンピックで、3つの金メダルに輝き、その美しさとダイナミックな演技で日本中を魅了しました。あのチャスラフスカ選手が、60年の時を超えて、東京に帰ってきます。 それぞれの朝はそれぞれの物語を連れてやってきます。
「東京の恋人」と呼ばれたチェコの女子体操選手、チャスラフスカ選手。2016年8月30日に、74歳で亡くなっているのですが、実は8月2日(金)からの3日間、新宿・紀伊國屋ホールで、『チャスラフスカ 東京 1964 ー伝説の選手 誕生の物語ー』という人形劇が上演されます。 「人形劇? なんだ、子供向けか……」と思わないでください。 人形劇を見たことはありますか? 糸や棒で操ったり、指や手を入れて操ったり、腹話術も人形劇の一種です。日本の伝統芸能「人形浄瑠璃 文楽」は、一つの人形を3人で操ります。人や動物のほかに、花や樹木、虫や石ころ、太陽も月も、命がないものでも話したり動いたり、観客の想像力を掻き立てるのが、人形劇の魅力です。 また、人形だけが演じる人形劇もあれば、操る人が見える人形劇もあり、さらには人形を操りながら俳優として役を演じる……そんな人形劇もあり、「人形劇=子供向け」ではなく、大人も楽しめるのが人形劇なんです。
『チャスラフスカ 東京 1964 ー伝説の選手 誕生の物語ー』は、チェコから3人、日本から3人の人形遣いが舞台に立ち、その6人が人形を操りながら、時には、役者として芝居を演じます。舞台では影絵を使ったり、60年前の映像を流したり、子供も大人も楽しめるように、様々な趣向を凝らしていますが、幕が上がるまではどんな展開が待っているのか、実は誰にもわかりません。 1929年(昭和4年)創立の「人形劇団プーク」は、今年95周年を迎える、日本で最も歴史のある現代人形劇団です。新宿南口にある「プーク人形劇場」を拠点に、保育園や幼稚園、日本各地のホール、時には海外でも公演をしています。海外の人形劇団との国際交流も積極的で、チェコを代表する公立の人形劇団「アルファ劇場」をはじめ、いままでに多くの劇団を日本に招いて、全国ツアーも行ってきました。 2年前の春のこと。そのアルファ劇場と共同で人形劇をやりたいねと、役者さん同士の話がきっかけで、「ぜひ、やりましょう!」と企画が進み、日本とチェコで一番有名な人物といえば「チャスラフスカしかいない!」ということで、初めての試みとして、日本とチェコの人形劇団による共同制作公演のプロジェクトがスタートしました。