海なし県・宇都宮のポケットパークに魚のアート作品「小さな海の模様箱」
海なし県の栃木県では見慣れない魚のアート作品「小さな海の模様箱」が現在、宇都宮中央郵便局(宇都宮市中央3)南側の宇都宮中央三丁目ポケットパークに展示されている。「うつのみやイルミネーション」の一環。(宇都宮経済新聞) 【写真】生田さんと作品「小さな海の模様箱」2 ポケットパークでの作品展示は、宇都宮メディアアーツ専門学校の学生が3年前から手がけている。昨年、一昨年はLRTをイメージした作品を展示したが、今年は同校ビジュアルデザイン科1年の生田龍平さんが中心となり、作品を仕上げた。 ビジュアルデザイン科教員の山田有宏さんによると、今回はテーマが自由であったことと、以前別のイベントで利用した栃木県産のヒノキのベンチが提供されたことから、普段アート性の強い作品を描く生田さんを中心に取り組んだという。 山田さんは「生田さんが普段作家性の強い作品を作る人なので、彼のディレクションで作品を作ることを提案。幾何学的でグロテスクな作品を作る彼が、公園という公共の場で、万人に楽しんでもらえるパブリックアートを制作したらどうなるか、兵庫出身の彼が宇都宮をどう見るかも興味深く、制作を提案した」と振り返る。 「素材が箱なので、面をどう見せるかにこだわり、海なし県の公園に水族館が現れたら面白いのではと思った」と生田さん。生田さんらは、形が比較的自由に造形できる魚を題材に作品を制作。10月からの約1カ月という短期間で作品作りに取り組んだ。 生田さんは「将来絵を描くことを仕事にしたいと思っているので、今回の制作は空間デザイナーとしての経験にもつながり、絶対にやってみたいと思った。ペンキで絵を描くのも初めての体験で、精密な絵を描くのにも神経を使ったが、いろいろな人に関わってもらって一つの作品を作ることができ感謝したい」と話す。「作品はイルミネーションの一環だが、昼間の姿もぜひ見てほしい。何でもない日常の場所にアート作品が現れる面白さも感じてもらえれば」とも。 作品展示は来年1月31日まで。
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