「過去は、自分で背負わなきゃいけないんです」木村拓哉“直季”の壮絶な覚悟に震える…26年前の傑作ミステリー<眠れる森>
FOD・TVerで開催中の「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」で順次無料公開され注目を集めている26年前の中山美穂&木村拓哉主演ドラマ「眠れる森」(1998年、フジテレビ系)。11月10日(日)まで無料公開中の最終話(第12話)は実那子(中山)にまつわる過去がすべて明らかになる展開で、謎を追ってきた直季(木村)はじめメインキャストの演技合戦が見どころだ。(以下、ストーリーの重要なネタバレを含みます) 【写真】「眠れる森」から26年…立ち姿がカッコよすぎる51歳の木村拓哉 ■「とにかく生きるしかねぇんだよ人間は!」 「眠れる森」は、3カ月後に結婚を控えた大庭実那子が故郷の森で謎めいた青年・伊藤直季と出会ったことから始まるミステリー。15年前から実那子を知っているという直季に出会ったことをきっかけに、実那子は自分の過去に疑問を持つようになる。そして、自分が15年前の一家惨殺事件の生き残りだと知る。 事件の犯人として服役していた国府吉春(陣内孝則)が仮出所し、事件の関係者が動き出す。実奈子が父親から虐待を受けていたこと、実那子に“記憶の埋め込み”を行った医師・伊藤直巳(夏八木勲)が実奈子の実父だったことなど、回を追うごとに新たな事実も判明。ストーリーは“惨殺事件の真犯人は誰なのか”という一点へと突き進んでいく。 そんな終盤では、キャスト陣の力のこもった演技が繰り広げられる。7日(木)まで無料公開中の第11話では、 直季と幼なじみ・中嶋敬太(ユースケ・サンタマリア)の対話シーンが圧巻だ。事件の真犯人にいち早く気づいたものの、その過程で重大な罪を犯してしまった敬太。「どんな過去があっても、過ちがあっても、とにかく生きるしかねぇんだよ人間は!」と絶叫する直季の言葉は、もはや敬太には届かない。 そして最終話では、東京湾に浮かぶクルーズ船で実那子と濱崎輝一郎(仲村トオル)の船上結婚式が開かれ、その船上で真犯人が判明する。 ■「これ以上ないほど美しいラスト」 最終話で強烈なインパクトを残したのは、輝一郎役の仲村。「実那子は心の奥に闇を抱えてる。それを思うと、俺どうしようもなく実那子を抱きしめたくなるんだ」とつぶやく姿に狂気が滲む。そんな輝一郎を執拗に追い回す国府の「俺はまた刑務所に入る。仮出所になって、またお前を探しに来る」という怨念もすさまじい。 そして、すべてを知った直季の静かな覚悟を、木村が淡々と表現する。「実那子が自分で憎んで自分で裁くときを、俺最後までちゃんと見てなきゃいけないんです。今まで15年間、ずっとそうしてきたから。過去は、自分で背負わなきゃいけないんです」。実那子が壮絶な運命を背負っていることを知ったうえで、直季はそれでも彼女を最後まで支える決意をする。 今回の無料公開をきっかけに再視聴したファンから「改めて見てもすごい作品だった」「これ以上ないほど悲しくて、美しいラスト」「何度見ても見ごたえがある」の声が上がった「眠れる森」。放送から四半世紀以上経っても人々の心に残り続けるだけの力を見せつける、壮絶な最終回だ。 「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」では人気ドラマを順次、FOD・TVerにて無料公開中。11月は誉田哲也の小説をドラマ化した「ストロベリーナイト」(2012年)、玉木宏&綾瀬はるか&多部未華子出演の「鹿男あをによし」(2007年)、櫻井翔主演ドラマ「家族ゲーム」(2013年)などがラインナップされている。