違い認め個性を尊重 奄美大島 4町村で男女共同参画事業
鹿児島県奄美大島の4町村(大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町)が協働して策定した「男女共同参画推進総合計画」(2024~33年度)の初事業「子どもたちと地域のジェンダー平等学び合い事業」が28日、宇検村立阿室小中学校(大屋哲校長、児童生徒22人)を皮切りに始まった。児童生徒らはワークショップを通じて、一人一人の個性を尊重し違いを認め合うことの大切さなどを学んだ。 計画は男女共同参画社会基本法とその個別法に基づき今年3月末に策定。4町村で連携し、誰もが生きやすい社会の実現を目指す重点目標7項目や事業計画などを盛り込んだ。学び合い事業は今年度、宇検村、龍郷町、瀬戸内町で実施する。子どもたちに人権・ジェンダー平等への理解や自己肯定感を高めてもらうことが主な目的。 講師は鹿児島市と神奈川県を拠点に活動する男女共同参画アドバイザーの髙﨑恵さん(49)。児童生徒や教職員、保護者、地域住民を対象に3町村計9校でワークショップやセミナーを行う。 阿室小中のワークショップでは、児童生徒が同じ指示を聞いて絵を描き、完成した絵を見せ合ってそれぞれの違いについて話し合った。髙﨑さんは、違いを恐れて考えを出さない「思考の内在化」が多くの人に見られることを踏まえ、「違いこそ宝物。いろんな人の違う考えから新しい価値を学んでほしい」と呼び掛けた。 自分の主張をその理由や背景とともに丁寧に伝えて信頼関係を築く「対話」の重要性も強調。性別や年齢、障がいの有無などに関わらず、一人一人の個性や力を発揮できる社会や学校づくりに向けて意識を共有した。 生徒代表は「違いが大切だということがすごく印象的だった。学年にかかわらずみんなの意見を聞き、みんなが納得できる考えを見つけて、もっといい学校にしていきたい」と話した。
奄美の南海日日新聞