どうした青森山田!? 選手権優勝から3か月半、サニックス杯でまさかの7位。佐賀東戦で指揮官が雷を落とす。いったい何があったのか
それは“心”があってこそ
勝負は細部に宿る。選手たちは決して手を抜いたりしていたわけではないだろう。しかし、日本一を目ざす集団として、指揮官は物足りなさを感じた。だからこそ、厳しい言葉を投げかけたのだ。 「やれることを1つずつクリアしていかないと、適当なチームになってしまう。シーズンが始まってから『なんでこんなこと言われてるの?』というようなチームではダメ。プレミアリーグは開幕から全力でいかないといけないし、今はシーズン中に言いたくないこと、シーズン中に持ち越したくないことを伝えている」 準備の段階で相手に遅れを取った結果、試合は0-1の惜敗。前半終盤にリードを許してから猛反撃を開始し、後半の終盤はロングスローとFKやCKから何度も決定機を作ったが、最後まで決め切れなかった。 試合を振り返り、昨季からのレギュラーでキャプテンマークを巻いた右SB小沼蒼珠(2年)はこう話す。 「いくら気合を入れて臨んでも、サッカーはサッカー。1本中の1本を決め切れないと、やっぱり勝てない。ガンバ大阪戦も含めて、簡単には勝てないことが分かった2試合でした」 大会ラストマッチとなった佐賀東との7位決定戦は終盤に逆転したものの、終了間際に失点。2-2でPK戦にもつれ、なんとか勝利を手にしたが、例年のような勝負強さはまたしても発揮できなかった。 “心技体”の技と体はここからいくらでも伸ばせる。しかし、それは“心”があってこそ。開幕前の時期にどれだけメンタリティを作り込めるか。 「自分たちがやるべきことを信じて、しっかり積み上げていきたい」という小沼の言葉通り、今は目の前のことを必死にクリアしていくしかない。もがき続ける“王者”は、青森山田らしさを取り戻すために今日もグラウンドに立つ。 取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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