三屋裕子JOC副会長が見たパリ五輪…見延和靖選手らフェンシング勢の活躍「快挙」
日本オリンピック委員会(JOC)の三屋裕子副会長(福井県勝山市出身)が8月9日、パリ市内で福井新聞の取材に応じた。男子エペの見延和靖選手(越前市出身、ネクサス)らフェンシング勢の躍進を「快挙」と称賛し、「日本フェンシング協会の育成体制は、これからの日本のロールモデルになる」と指摘した。また、交流サイト(SNS)で選手への誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)が相次いでいる事態に対し選手の心のケアに努めるとともに、悪質な事例には法的措置も検討していく考えを示した。 フェンシングで日本は過去最多の金2、銀1、銅2の計5個のメダルを獲得し、三屋副会長は「チームジャパン全体がすごく勇気づけられた」と強調。中でも東京五輪の金に続き、銀メダルを手にした見延選手らエペ男子団体については「本当に快挙だ」と述べた。 フェンシング躍進の背景の一つに、女子サーブル団体銅メダリストの江村美咲選手(立飛ホールディングス)らを輩出したJOCエリートアカデミーを挙げ「日本のスポーツの多くは学校の施設や先生に依存しているが、学校の体育でフェンシングを学ぶことはない。部活動の地域移行が進む中、これからの選手強化のロールモデルになる」と期待した。 ◇三屋 裕子さん(みつや・ゆうこ) 勝山中―八王子実践高―筑波大―同大大学院修了。1980年、大学4年のときにバレーボール女子のモスクワ五輪代表に選ばれたが、日本がボイコットしたため出場は幻となった。卒業後は名門・日立で活躍。84年ロサンゼルス五輪では日本の中心選手として銅メダルを獲得した。現役を退いてからは教職の道を歩むなどした後、Jリーグ理事、日本バレーボール協会理事などを経て、16年から日本バスケットボール協会会長。21年にJOC副会長となり、昨年11月から山下泰裕会長の職務を代行している。66歳。
福井新聞社