ソニー・ホンダモビリティが日本向けアフィーラにNACS充電コネクターを採用する理由
ホンダ0シリーズSALOONにもNACS採用の可能性がある
最後に気になる話題をひとつ。ホンダが2026年からグローバルで市場投入を予定している「Honda 0シリーズ」の動向だ。なかでも実はこの新シリーズのEV車台および車載OSは、SHMのAFEELAと共用することは日本経済新聞など複数のメディアが報じている(2024年7月)。つまり、国内で設計/開発されているものの、生産は北米オハイオ工場に新設されたEV専用ラインでAFEELAとともに行われるのだ。違いはデザイン、パッケージング、そして車載OS上に重なるソフトウェア。バッテリー(LGES)を始め、サプライヤーは共通になるだろう。 また、2025年末から生産が始まるアキュラブランドの新型スポーツSUV(「Acura Perfomance EV Concept」として今年8月にコンセプトモデルを公開済み)も、AFEELA、0シリーズSALOONとアーキテクチャーを共有している。時系列でみれば、まず2025年末にアキュラ、続いて2026年前半からAFEELAと0シリーズSALOONの生産が始まるというイメージだ。 北米専用車のアキュラはもちろんNACSだが、AFEELAが日本仕様もNACSと発表したことで、0シリーズSALOONの日本仕様もNACSを採用する可能性が俄然高まったのではないか。しかも、この3車は本格的なSDVであり、車両価格はかなり高くなりそうだ。それを少しでも抑えるために最大公約数的な考え方をすると、すでに北米以外でも構築が進んでいるスーパーチャージャーのネットワークに乗っかるのが、SHMとホンダはもとよりユーザーにとってもメリットが大きい。 もちろん、これはあくまで状況証拠をもとに予想しているだけだから実際にそうなるかどうか確信はない。とは言え、現在はNACS未導入の国や地域でも、今後はどうなるかわからないのも事実。CHAdeMOとNACSでせめぎあう日本はもとより、各国/地域の急速充電規格の動向には今後も注視しておく必要がある。