【オーストラリア】豪9月景況感3pt上昇、長期平均に回復
ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が8日に発表したオーストラリアの9月の企業景況感(business conditions)は7となり、前月(修正値)から3ポイント上昇し長期平均近くまで回復した。特に雇用指数が平均を上回る水準まで大きく改善した。向こう3カ月間の景況見通しを示す企業信頼感(business confidence)指数はマイナス2と3ポイント改善した。国内経済成長は鈍化しているが、設備稼働率や設備投資は健全で、企業活動は柔軟な対応力により堅調だとみられる。 NABは非農業部門の約500社を対象に、9月23~30日に調査を実施。同指数は、ゼロポイントを超えた場合は「楽観」が「悲観」を上回っており、ゼロポイント未満は「悲観」が「楽観」を上回っていることを示す。景況感指数は、現在の景況に対する満足度を示している。 主要指数は、◇売上高:12(前月比4ポイント下落)◇利益:5(3ポイント上昇)◇雇用:5(4ポイント上昇)◇在庫:5(3ポイント上昇)◇新規受注:マイナス5(横ばい)◇輸出:マイナス1(横ばい)――となった。 設備稼働率は83.1%で前月から0.1ポイント上昇した。 州別の景況感は、クイーンズランド州で7ポイント上昇、ビクトリア州で6ポイント上昇など、ほとんどの州で上昇した。下落したのは南オーストラリア州だけで、6ポイント下落だった。 産業別の景況感は、製造が11ポイント上昇と大幅に伸びた。ほかに、娯楽・パーソナルサービスが5ポイント上昇、小売りが5ポイント上昇、卸売りが4ポイント上昇した。ほかの産業は大方横ばいだったが、資源は大幅に下落した。 ■価格上昇は鈍化 NABの首席エコノミスト、オスター氏は、「小売りなど広範な業界で価格上昇率が前月から鈍化しており、価格圧力は弱まり続けている」と分析。ただ、「原料コストの伸びは製品価格の上昇率を上回る状態が続いており、企業の利幅に圧力となっていることが示された」と指摘した。