能登半島地震の被災地で、学生ボランティアが探す“自分ができること”(後編):若い力を生かした支援
“ボランティアは気持ちだと思う”
宿泊最後の夜は、お世話になった民宿「むろや」のご主人と女将さんに足湯。その頃には「足湯をしながら肩も揉もう」「それは自分が担当する」といったように、各々が自主的に動いていた。 足湯の間、ご主人は学生との別れを惜しんで涙を流す。女将さんが「珠洲が良くなったら、またおいでね」と声を掛けると、第6陣メンバーは「必ず戻ってきます」とうなずいていた。 夜の振り返りの時間には、「愛読書やアルバム、賞状など、個人の思い出が詰まったものに触れるのには戸惑った」「家ごとにカラーやストーリーがあるのを感じながら、精一杯できることをした」「ボランティアって、やっぱり気持ちだと思う!」と、いつまでも話は尽きなかった。 1週間足らずの活動でも、“自分にできること”や“してあげたいこと”をとことん考え、行動に移すことで、初心者は経験者に、リピーターはリーダーへとステップアップし、一人の人間としても着実に成長していた。 撮影=コデラ ケイ
【Profile】
土師野 幸徳(ニッポンドットコム) 出版社勤務を経て、現在はニッポンドットコム編集部チーフエディター。主な担当は「旅と暮らし」。「レゲエ界に革命を起こしたリズム“スレンテン”は日本人女性が生み出した:カシオ開発者・奥田広子さん」で、International Music Journalism Award 2022(ドイツ・ハンブルグ開催)の英語記事部門において最優秀賞を獲得。