【パン考】本州では売れない?北海道では激アツ「豆パン」 丸パンに甘納豆…そのルーツを探る
85%を輸入に頼る小麦。 ただ、国内産の65%が北海道産なんです。 北海道は日本一の小麦の産地です。
道産小麦はもちもちとした食感が大きな特徴で、パンにはもってこい…といいます。 8種類ある道産小麦の中でも… (横山製粉 横山雄紀さん)「道産小麦のなかでも流通量は少ないが、“キタノカオリ”独自の甘みや香りがあって、一部のお客様に底堅い需要がある。キタノカオリは生産自体が難しい、難易度が高いと聞いているが、一方で市場の需要は高い小麦となっている」
幻の小麦・キタノカオリ…その魅力は?
生産量1位は岩見沢市です。 その岩見沢市のパン協議会によりますと、市内のパン店は少なくとも17店。 駅周辺だけでも8店あります。 これは、人口比で見ても全国的にも突出した多さです。
駅前通りに2022年オープンしたお店です。 連日このにぎわいですが、地元の買い物客に話しを聞いてみると… (岩見沢市民)「食べたいものがその週で違うので、岩見沢は結構パン店が多いので、食べたい店のパンを買いに行くって感じですね」 (記者)「岩見沢市内はパン店が増えている?」 (岩見沢市民)「すごい多いですよね」
さらに、駅前で市民に愛され10年。 こちらのパン店は50種類のパンが毎日並びますが、なかでもフランスパンのようないわゆる「ハード系」のパンが人気です。 厨房をのぞいてみると、「キタノカオリ」の文字が!
キタノカオリが「幻の小麦」と言われるゆえん、 それは、雨や病気に弱く、質の高い状態で出荷するのが難しいため、流通量がとても少ないのです。 しかし、この小麦に魅了された人は…
(パン工房 こんとれいる 寺林弘美さん)「味と香りが他の小麦粉よりも際立って良くて、パンにするととてもおいしくなる。シンプルなパンをつくるとおいしさがよくわかる。北海道産小麦にこだわっていたので、岩見沢の小麦粉を使えるのはうれしい。キタノカオリが一番好きです」 コメどころでありながら、小麦どころでもある北の大地。 「食の王国・北海道」の魅力発信の一翼を担う力を道産小麦は秘めているのです。
パン文化は、北海道ならでは形で広がっています。 その代表格が北海道発祥といわれる「豆パン」。 そしていま、道産小麦を使ったパンが次々うまれています。 なかでも幻の小麦「キタノカオリ」。 パンそのものだけではなく、小麦に着目した新たな北海道のパン文化が、今後発展していくかもしれません。