ロッテ石川歩が1年10カ月ぶり勝利 右肩手術から復帰、巧みな投球術さえる
■ロッテ7-0オリックス(30日、ゾゾ) かつてのエースが戻ってきた。2022年9月13日以来の登板となったロッテの石川歩が5回3安打無失点の粘投。「緊張もしたし、思ったより状態は良くない中で何とか粘れた」。同8月31日以来、1年10カ月ぶりの勝ち星を挙げた。 一回2死三塁のピンチで西川を144キロの直球で見逃し三振に仕留めた。その後も、走者は出しながらも要所を締め、五回まで75球を投げ切った。 昨季は開幕投手に指名されながら、右腕の状態不良で回避。右肩の痛みに悩まされ、1軍での登板機会はなかった。昨年10月に手術に踏み切り、今季は育成契約を結んだ。「だめなら『辞めるんだろうな』と思っていた」と引退も覚悟した。リハビリと同時に「自分の体を見つめ直すいい機会だった」と投球フォームを修正し、右肩の不安も解消。6月24日に支配下選手に復帰した。 この日は風速10メートル以上の強風。制球に苦しむ21歳の山下とは対照的に、球場の特徴を知り尽くす36歳は「ストライクゾーンに投げるだけ」とカーブやシンカーを巧みに操った。オリックス打線を封じ、吉井監督に「技術は本当、天下一品」とうならせた。 「内容としてはまだまだ。状態を上げられるようにやっていきたい」と石川歩。エース復活への道を歩み出した。(神田さやか)