ベネズエラ映画「博士の綺奏曲」11月公開、真木よう子・小川あんら6名が推薦
ベネズエラ映画「博士の綺奏曲(きそうきょく)」が11月9日に公開決定。ポスタービジュアルと特報が解禁されたほか、真木よう子、小川あんら6名からのコメントが到着した。 【動画】ベネズエラ映画「博士の綺奏曲」特報はこちら 本作の主人公は、研究所に勤めながらオルタナティブロックバンド「ロス・ピジャミスタス」のボーカルとして活動していたアンドレス。彼は、汚職まみれの政権が主催する音楽祭にメンバーが参加しようとしていた事実を知り、バンドからの脱退を決意する。そしてソロでの活動を開始したアンドレスのもとに、顔なき奏者“ビースト”たちが現れ、彼らとともに孤高のアルバム制作を試みる。 アートディレクター・作曲家としても活動するニコ・マンサーノが、経済危機や大規模停電により国外亡命者が続出し、混乱状態に陥った2016年当時のベネズエラを背景に脚本を執筆。監督や撮影のほか劇中曲の制作も担当し、2021年に初長編となる本作を完成させた。へスース・ヌネスがアンドレスを演じ、ガブリエル・アグエロエ、ステファニア・キハダ、アーヴィング・コロネルがキャストに名を連ねている。 真木は「台詞以外の映像や音楽や表情で心情を揺さぶられた初めての芸術作品だ。有名な画家の様に創造者亡き後の評価にならない事が嬉しい」とコメント。小川は「なんだろう......この映画全体の漂う雰囲気、空気感。ダリやマグリットのようなシュルレアリスムの絵画を鑑賞したときと似通った感覚を味わった」とつづった。荻野洋一、佐々木敦、ダースレイダー、吉岡正晴によるコメントも下記の通り。 Cinemagoが配給する「博士の綺奏曲」は、東京のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。 ■ 小川あん(俳優)コメント なんだろう......この映画全体の漂う雰囲気、空気感。ダリやマグリットのようなシュルレアリスムの絵画を鑑賞したときと似通った感覚を味わった。 ■ 荻野洋一(映画評論家 / 番組等の構成・演出)コメント 78分の上映時間のあいだに87カットしか持たないこの映画がかもす音楽と空間性の調和は、見る者の心をひたすらにとろけさせる。 ■ 佐々木敦(批評家)コメント バンドメンバーと袂を分かったアンドレスは、たぶん彼の脳内存在である鮮やかな黄色の衣をまとった顔のない「ビースト」たちと録音を行う。どちらかといえばリアリズムのこの映画において、そこだけ奇妙にファンタジックなのだが、かといって特別すごいことが起きるわけではない。そして、そこが良いのである。 ■ ダースレイダー(ラッパー / 映画監督)コメント 腐敗した政治、堕落したモラル。そんな灰色の影に覆われたつまらない日常を生きるアンドレスの傷口(くちびる)から漏れ出す音のなんと色鮮やかなことか。音楽がミュージシャンの元にやってくる感覚が優しく、儚く描かれていく。 ■ 真木よう子(俳優)コメント かつて、幼い頃に神秘的な馬の観劇にいった時のことが脳裏に甦った。 己だけがわかる作品にしたくなる。 簡単に時代背景等を齧った人とは、この気持ちの共有を遠慮したい程。 それ程までに特別で、台詞以外の映像や音楽や表情で心情を揺さぶられた初めての芸術作品だ。 有名な画家の様に創造者亡き後の評価にならない事が嬉しい。 ■ 吉岡正晴(音楽ジャーナリスト)コメント 多くの余韻とスペースを持つこの作品は、ひょっとしてハイパー・インフレ、政治の腐敗が進むベネズエラにおける批判も含めた「白昼夢」のようだ。 (c)Bendita films/Cinemago