【ライブレポート】NCT WISHはシズニと「信じ合いたい」、デビュー後初の日本ツアーであふれた涙と真心
NCT WISHの日本ツアー「2024 NCT WISH ASIA TOUR LOG in JAPAN」の神奈川公演が11月27、28日に神奈川・パシフィコ横浜にて行われた。 【写真】“最後のNCT”として人気を博すNCT WISH(ライブ写真12枚) ■ 最後のNCT、デビュー後初の日本ツアー NCT WISHは“最後のNCT”グループ誕生の過程を追う番組「NCT Universe : LASTART」から誕生した、SMエンタテインメント所属のボーイズグループ。「NCT NEW TEAM」という仮称でのプレデビュー活動を経て、今年2月にデビューした。 全国6都市をめぐる「2024 NCT WISH ASIA TOUR LOG in JAPAN」は、NCT WISHにとってデビュー後初となる日本ツアー。11月上旬に石川と京都にて4公演行われ、神奈川公演はこれに続く形で開催された。なおこのツアーには、休養中のリクは不参加となったが、MCでジェヒが「音源だとリクの声も聞こえますよね」と彼に言及したり、VTRでリクの姿が映るとNCTzens(NCTファンの呼称、以降シズニ)が割れんばかりの歓声を送るなど、メンバー同士、そしてNCT WISHとファンの間の絆を感じさせる場面が多々あった。 本稿では、神奈川公演のDAY2にあたる28日公演の模様をレポートする。ここからはネタバレが含まれているので、今後の公演に足を運ぶ予定の人はご注意を。 ■ 最新アルバムで音源化、満を持してフルで披露 デビュー曲「WISH」で幕を開けたライブは、プレデビュー期の楽曲から、昨日11月27日に配信リリースされた日本1stアルバム「WISHFUL」の収録曲まで、NCT WISHの歩みをたどるようなセットリストが展開された。また、グループの楽曲だけでなく、NCT WISHのプロデュースを手がけたBoAの「No.1」や、NCT Uの人気曲「Make A Wish」を披露するカバーステージも行われ、ファンを大いに喜ばせた。 中でもひときわ観客を沸かせたのは「NASA」。結成初期にショートバージョンのパフォーマンス動画がYouTubeで公開されて以来、音源化を望む声がファンの間で飛び交っていた曲だ。イントロが流れると、会場は悲鳴にも似た歓声に包まれ、大きな盛り上がりを見せた。 ■ 恋愛ゲームでメンバーを攻略 「WISH for Our WISH」というキャッチフレーズのもと、「NCT WISHの音楽と愛ですべての人々の願いと夢を応援しながら共に叶えていこう」という思いを背負って活動しているNCT WISH。本ツアーは、グループが掲げるこのテーマを観客とともに楽しむことをテーマに掲げつつ、「ゲームで遊んでいるメンバーが突如ゲームの世界へ引き込まれ、パフォーマンスを通じて観客とともにゲームをクリアしていく」という世界観のもと行われた。 ステージ上での演出はもちろんのこと、“ゲーム”の要素はVTRにも盛り込まれていた。序盤の映像のコンセプトは恋愛ゲーム。シズニのペンライトの動きや完成の大きさに応じて、それぞれ異なるキャラ設定のメンバーたちが次々と"攻略"されていく。王子に扮したサクヤが甘い言葉をささやいたり、ジェヒがSHINee「Winter Wonderland」のパートをワンフレーズ歌唱したりと、攻略されたメンバーは、各々のやり方でファンへの愛情を表現してシズニを胸キュンさせた。またこれ以外にも、公演中にはメンバーがNCTのペンライトのカラーでもある黄緑色の“星”を次々と撃ち落としてポイントを稼いでいく、シューティングゲームを連想させるVTRもモニタに映し出された。 NCT WISHらしい遊び心あふれる演出が随所にちりばめられた今回の日本公演。教室を再現したステージセットや、MC中に行われたゲームコーナー「シズニに告白!イヤホンガンガンゲーム」など、さまざまな演出で観客を楽しませる。「Dunk Shot」のステージでは、間奏が流れている間にバスケットボールのゴールが壇上に運び込まれ、フリースローゲームがスタート。メンバー全員でフリースローに挑戦するも5人ともゴールを外してしまい、みんなで罰ゲームとしてかわいらしいカチューシャを着用して残りのパフォーマンスを披露する展開に。カチューシャを身につけた愛らしい姿と、新人らしからぬキレのあるダンスパフォーマンスとのギャップが、グループの振れ幅の広さと多彩な魅力を際立たせた。 ■ この曲を、このツアーで歌えたこと 本編終了後、ファンからの熱い声援に呼び戻されたNCT WISHは、2ndシングル「Songbird」のカップリング曲「Tears Are Falling」でアンコールを開始した。楽曲を歌い終えたあと、サクヤは「この曲は『どんなにつらいことがあっても、そばで支えるよ』というメッセージが込められています。でも、逆に僕たちがつらいときはシズニの皆さんに救われている、という思いも込められているんです。この曲を、このツアーで歌えたことが本当にうれしい」としみじみ語る。最後の挨拶の際には、ジェヒが「今日も待機中は緊張していたんですが、皆さんのペンライトを見たら一気に気にならなくなりました。いつも僕たちに勇気と“できる力”をくれてありがとうございます」、シオンが「僕は舞台に上がってシズニの皆さんを見ると自信が湧いてきます。本当に感謝していますし、皆さんにもそう思ってもらえるアーティストになれるようがんばります」と、それぞれが日本語で懸命に言葉を紡ぎ、シズニへの愛情を語った。 ■ 「皆さんの顔を見ると泣きそうになっちゃう」 メンバーが1人ずつコメントをしていく中、小さな声で「『Tears Are Falling』で泣きそうになりました。皆さんの顔を見ると泣きそうになっちゃうんです」と呟いたのはユウシ。言葉を紡ぎながら涙をこらえきれなくなった彼は、「こんなにたくさんの方々が僕たちの公演に来てくださって。本当にありがとうございます」とひと言述べ、満員の観客席を静かに見渡した。そんな彼の涙の挨拶のあと、リョウは「もう少しでデビューしてから1年が経ちます。この1年目をツアーで締めくくれるのがすごくうれしいです。ツアーを重ねるたびに絆が強くなっていくのを感じますし、この絆をさらに深めるためにもっとたくさん活動したいと思っています。信じてもらえる存在、信じ合える存在になれるようにこれからもがんばります」と力強く意気込み、晴れやかな表情でファンにほほえみを向けた。 アンコールのフィナーレを飾る「Our Adventures」では、ユウシが再び号泣。ステージに戻ったあとも目を潤ませる彼を、メンバーは背中をさすったり笑いかけたりして励まし、観客もまたユウシへの愛を叫ぶ。最後にはメンバーとシズニがお互いの愛情を確かめ合うように大きく手を振り合い、温かな空気に包まれながら公演は幕を閉じた。 ■ セットリスト □ NCT WISH「2024 NCT WISH ASIA TOUR LOG in JAPAN」2024年11月28日 パシフィコ横浜 国立大ホール 01. WISH 02. Steady 03. Sail Away 04. 3minutes 05. We Go! 06. No.1(原曲:BoA) 07. Make A Wish (Birthday Song)(原曲:NCT U) 08. Hands Up 09. Dunk Shot 10. CHOO CHOO 11. NASA 12. FAR AWAY 13. Touchdown 14. Songbird <アンコール> 15. Tears Are Falling 16. Wishful Winter 17. Our Adventures