黒田の広島復帰を全米メディアはどう伝えたか
黒田博樹の広島復帰のニュースは、米国にも日本での報道から間を置かずして伝わった。2月に40歳になるとはいえ、このオフの先発投手の中では、マックス・シャーザー、ジェイムス・シールズには劣るものの、未契約のFA(フリーエジェント)先発投手の中ではベスト5に入ると見られていたからだ。 特にヤンキースのメディアは、「黒田との再契約が必要だ」と訴えてきただけに、失望がうかがえる。 ・ニュージャージー「ザ・レコード」紙 「ヤンキースは、もっとも安定した投手を失った」 黒田は今年、ヤンキースの開幕ローテーションに入った投手の中では、唯一、ローテーションを守り抜いた。ヤンキースでの3シーズンは、いずれも最低でも32回は先発するなど、1年通して計算できる存在だったからこそ、そうした捉え方となるのだろう。 ・「ニューヨーク・デイリーニュース」紙 「不安定な先発陣を支えてくれる存在だった」 来季は、C.C.・サバシア、田中将大、マイケル・ピネダの3人が先発の柱だが、サバシアは故障明け、田中は靭帯に爆弾を抱える。ピネダは、2011年のデビュー以来、故障に悩まされ続けてきた。そういう事情を考えれば、ヤンキースにとって黒田は、彼らに代わりうる存在だったよう。 ・「ニューヨーク・ポスト」紙 「ローテーションに大きな穴が開いた」 これで4番手、5番手は、ネーサン・エオバルディとクリス・カプアーノが候補となるが、いずれも計算しにくい、ということか。 もっとも12月の8~11日まで行われたウィンターミーティングの時、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、黒田が戻ってこないことをなんとなく匂わせていたよう。よって地元記者らは、会議終了後にエオバルディをマーリンズからトレードで獲得し、カプアーノと再契約をした時点で、黒田がヤンキースに戻ることはないと想像していたのではないか。いずれにしても、エオバルディとカプアーノがローテーション候補である時点で、層の薄さは明らかである。