ソフトバンク・栗原 近藤の背中追いかけ来季は「3割目指す」 小久保監督も期待「打てる力は十分にある」
ソフトバンクの栗原陵矢内野手(28)が自身初の打率3割をミッションに掲げた。16日に優勝旅行先の米ハワイから帰国し、一流打者の証を手にしたいと来季を見据えた。近年のプロ野球は投高打低の傾向が強く、今季パ・リーグの達成者は近藤健介外野手(31)だけだった。栗原のバッティング技術を高く評価する小久保裕紀監督(53)は可能性は十分あるとし、近藤との首位打者争いにも期待を寄せた。 栗原がさらなる高みを目指す。投高打低の傾向が続く中でも「もちろん3割を目指します」と明言。「一番、僕の目標である存在」と口にする近藤の背中を追いかけていく。 「今年も近藤さんは(リーグ唯一の)3割を打っている。本当に技術があり、自分の打撃が確立されていれば、打てることは証明されている。そこは求めていかないといけない。近藤さんがコンスタントに3割を残しているように自分もなりたいと思っている」 今季は柳田の離脱後に3番に座るなどチームのリーグ優勝に大きく貢献した。開幕直後こそ苦しんだが、5月にきっかけをつかんで復調。5月度、9、10月度と2度の月間MVPを獲得した。140試合出場で打率・273、20本塁打、87打点をマークし、初のベストナインにも輝いた。 ただ、小久保監督はワンランク上を期待している。打撃技術を高く評価し、「もう一つ、上を目指していかないと。“もっと来いよ”ということ」とハッパをかけた。「あのインサイドのさばきがある選手。それに外角の甘い球を、しっかり左中間方向へ大きい打球を打てる技術がある。3割打てる力は十分にある。もったいない打席を減らすことができれば、今の投高打低の時代で近藤と首位打者争いは全然夢じゃないと思う」と断言した。 指揮官が打率アップの鍵として挙げたのは選球眼。「若いカウントで待ってないボール球の空振りが結構多い。そこの我慢ができれば」と分析。この点は栗原も意識しているところだ。「自分自身でも、もったいない打席を凄く感じるときがある。ちょっとそういう我慢をしたりとか、どれだけ(狙い球と)違った球種を空振りせずに見逃せるかが勝負だと思う」 思い切りのよさも持ち味だが、より精度を上げていく構えだ。進化した打撃で柳田、山川、近藤と最強カルテットを形成し、リーグ連覇、日本一奪回の一翼を担う。 (木下 大一)