海外作品の翻訳などで著名な出版社、柏艪舎が破産
(株)柏艪舎(はくろしゃ)(TDB企業コード:010859462、資本金1350万円、札幌市中央区北2条西3-1、登記面=札幌市中央区北1条西3-2、代表山本光伸氏)は、9月27日に札幌地裁より破産手続き開始決定を受けた。 破産管財人には、道尻豊弁護士(はやみち法律事務所、札幌市中央区大通西7、電話011-261-6691)が選任されている。財産状況報告集会期日は2025年1月31日午前10時。 当社は、2000年(平成12年)2月に設立された出版社。小説・エッセイや写真集、作品集など幅広い書籍の出版業務を手がけていた。特に小説・エッセイの分野においては、国内外を問わず新人作家から寄稿された作品を審査してデビューさせるほか、米国など英語圏を中心とする海外の作品を企画・翻訳して出版するなど相応の読者層を開拓して道内の出版業界においては着目されていた。また、自費出版に対応するほか文芸翻訳講座を開講して新人の養成、発掘に努めるなどして、2007年3月期(その後決算期変更)には年売上高約1億1500万円を計上していた。 しかし、インターネットの普及などにより出版物を中心とする活字離れが顕著となり、2024年1月期の年売上高は約439万円にまで落ち込んでいた。また、読者獲得に向けた出版物の企画を行ってきたものの、紙価格の高騰や印刷経費の負担などによる採算の低迷から資金繰りは悪化。その後も業況回復には至らず、先行きの見通しが立たなくなったことで、今回の措置となった。 負債は約2億5800万円。