一見普通だが…? CA直伝、たった1秒でできる離着陸時の事故に備えた姿勢
飛行機は離陸と着陸する時が、事故のリスクが高いと言われる。その離着陸でCAは、座席で“ある姿勢”を取っている。万が一の時に備えたものであるというのだ。 【解説動画】簡単すぎる! 万が一に備えてCAが取っている“ある姿勢”
体を守る「ブレーシング・ポジション」
フィリピンのセブ島とマニラを拠点とするセブパシフィック航空。そこで勤務するCAのヘニー・リムは自身のTikTokで、その独特の姿勢について明かした。一見普通に座っているように見えるが、それは万が一の場面に備えた姿勢だという。 それは、左右の手のひらを上に向けて、両太ももの下にすべりこませる姿勢。左右の手のひらの上に太ももを乗せて座ったようなかたち。シートベルトをしっかり締め、背中を背もたれにまっすぐにつけ、両脚はしっかり床においた状態だ。ヘニーの投稿によると、この姿勢は「ブレーシング・ポジション」と呼ばれるもので、彼女によると「こうすることで体の動きが制限され、衝撃があった場合でもケガする可能性が低く」なるのだとか。 確かにこの姿勢を取ってみると、両腕をまっすぐに伸ばし背筋もピンと伸ばした状態となり、体が大きく動きにくくなる。これにより緊急時に自身を守ることになるのだそうだ。
CAは離着陸時に「サイレント・レビュー」も実施
「ブレーシング・ポジション」は米連邦航空局の安全に関する資料にも明記されている。「ブレーシング・ポジション」を取る主な理由はふたつ。ひとつは揺れを軽減すること。もうひとつは2次衝撃の揺れを軽減することだ。2次衝撃とは、飛行機事故が起きた時に、その衝撃や爆発によって飛来したガラスや金属などによって受ける衝撃のことを言う。 ヘニーによると、CAは「ブレーシング・ポジション」を取りながら緊急出口を確認するほか、飛行機の窓から外の状況を目視するといった「サイレント・レビュー」も行っているそうだ。万が一の事態にいち早く気づき、乗客や乗務員を安全に避難させるための経路などを確認しているのだろう。 この投稿に、多くのユーザーが「怖いけれど、いい情報をありがとう」などの好意的なコメントを残している。 2024年1月に起きたJAL機の炎上事故でも、CAの迅速な対応が全員脱出の奇跡につながったと言われている。私たちが安全に飛行機を利用できるのは、そんな彼らの日々の努力に支えられているのだろう。
文:佐藤まきこ