なぜマー君はNYでも不敗神話を守れるのか
田中の優れた集中力
同点となった直後にソロアーチを許すなど、失投で済まされない失投もあったが、与田氏の言うように、悪ければ悪いなりにゲームを作るのが、不敗神話を生み出す理由だろう。ジラルディ監督は、試合後、「苦しい時ほど、能力を推し量ることができる。苦しい中でも、勝つための道をみつけだす彼の能力を見た」と、田中を絶賛した。 この日の11奪三振で、5試合で合計46奪三振となった。デビューから5試合で46試合というのは、1900年以降では、ハーブ・スコア(50三振)、ストラスバーグ(48三振)につぐ3番目の記録。過去のヤンキースの投手の中で開幕から5試合で全てに7三振以上を奪っているのは、ムッシーナ(2003年、7試合)、サバシア(2012年、5試合)だそうである(いずれもElias 調べ)。 10年連続で3割、30本、100打点をマークした現役メジャー最高の打者と呼ばれるプホルスとの対決は、三振、四球、セカンドゴロに抑え込んだ。そのプホルスは、初対決となった田中に対して、こんなコメントを残した。 「日本からメジャーに来る投手は、ダルビッシュも、岩隈も、大体が、よく似ている。田中は、まだ若いけれど、メジャーで心地よく振る舞っているようにみえる。怪我せずコンディションを保つことができれば、いい投手になるんじゃないかな。今日は、四球も多かったし、彼のベストゲームではなかったと思う。ただ、我々も、ベストのゲームではなかったね。でも、まだ今日は初めての対戦だ。次の対戦が楽しみだ。なぜなら、その時、我々はもっといいアプローチができるだろう。彼は、日本でも素晴らしい結果を残した。でも、ここ(メジャー)で、サクセスすることはとても大変なことなんだ。彼は、年間を通じて結果を出さなければならない。願わくば、彼のキャリアもここで成功すればいいと思うが、我々(メジャー)は、また彼に違ったアプローチをすると思う。なぜなら我々は、アプローチの仕方を知っているからだ」