もっとも衝撃的な結末のホラー映画は? 鳥肌モノのラスト(1)どんでん返しにビックリ…怖く悲しい意味深な最後
F・W・ムルナウによるサイレントホラーの金字塔『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)から、異色の「明るいホラー」として人気を博したアリ・アスター『ミッドサマー』(2019)に至るまで、映画史はこれまで数々の名作ホラーを生み出してきた。今回はその中でも、結末が衝撃的な作品をセレクト。内容と魅力を解説する。第1回。※この記事では物語の結末に触れています。(文・ニャンコ)
『アザーズ』(2001)
監督:アレハンドロ・アメナーバル 脚本:アレハンドロ・アメナーバル キャスト:ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラナガン、クリストファー・エクルストン、アラキナ・マン、ジェームズ・ベントレー、エリック・サイクス、ルネ・アシャーソン 【注目ポイント】 本作は、孤立した屋敷を舞台にした哀愁漂うホラー映画である。 主人公グレース(ニコール・キッドマン)は、この屋敷で色素性乾皮症を持つ子どもたちと暮らしていたが、奇妙な出来事に見舞われていく。 物語の終盤、主人公のグレースと子どもたちはすでに死んでおり、屋敷で起きていた奇怪な出来事は、生者である「他者」の気配に起因していた…という事実が明らかになる。かつてグレースは、子どもたちを手にかけ、自身も命を絶ったという忌まわしい過去があった。 生きていると思っていた主人公が実は幽霊であった…この終盤のどんでん返しによって、物語全体の印象はガラッと変わり、観客は新たな視点から家族の物語を理解することになる。 ラスト、グレースと子どもたちは、自分たちがこの屋敷に縛られた存在であることを受け入れ、その場に留まることを決意し、映画は静かに幕を閉じる。 ニコール・キッドマンの圧倒的な演技は、この悲劇的な物語に深みを与え、観客を最後の瞬間まで引きつけることに成功している。 観客に与える衝撃と余韻の深さという点で、ホラー映画史に残る名ラストと言っていいだろう。
ニャンコ