西武新宿線「おくちちぶ」復活の可能性は? 東村山駅高架化の予定も
その後、これらの事業報告や決議事項に関する質疑応答の時間が設けられ、12名の株主が質問(1人2問まで)した。ここでは鉄道事業に関係する質問を抜粋して紹介する。鉄道関係の質問に対しては、個別に回答者を記載したものを除き、おもに西武鉄道取締役の藤井高明氏が回答した。 最初に質問した男性株主は、1点目にベルーナドームや「西武園ゆうえんち」への集客、南北に弱い西東京エリアの輸送力拡大を考え「多摩都市モノレールの延伸に際して、たとえば上北台駅から西武球場前駅までで西武鉄道も参加できないか」、2点目に「西武鉄道を使った貨物輸送(貨客混載)は、その後どうなったのか」と質問。「たとえ赤字だったとしても、貨物輸送の改善点が見えれば、モーダルシフトにも役に立つと思います」と添えた。 1点目に対して、藤井氏は「当社から多摩都市モノレールの延伸についてお答えする立場にはない」としつつも、「機会がありましたら、交通ネットワークの拡充という点で、いろいろな形で検討してまいります」と回答。2点目に対しては、オンラインで購入した商品を駅のスマートロッカーで受け取る「bopista」を今年4月から本格稼働したと説明し、「この『bopista』を通して、荷物を受け取る拠点の拡大や、商品の拡充、環境優位性のある鉄道を活用した輸送モデルの構築や配送スキームの効率化・最適化に取り組んでまいります」と述べた。 余談だが、多摩都市モノレールに関して、上北台~箱根ヶ崎間の延伸が検討されており、同社と東京都が2023年11月に都市計画案の説明会を行ったという。引き続き、都市計画決定に向けた手続きが進められている。
次の男性株主は、1点目に「東村山駅周辺の高架化工事の関係者が危険な自動車走行をしている」と発言。2点目に、池袋線・新宿線ともに所沢駅の始発列車(どちらも4時59分発の準急)に乗っても東京駅6時0分発・品川駅6時7分発の東海道・山陽新幹線「のぞみ1号」に間に合わないとのことで、「準急を急行化するなど、改善していただきたい」と要望した。 1点目に対して、藤井氏は「事業主体である東京都と一体となって、沿線の皆様にご迷惑をおかけしないように、改めて周知徹底いたします」と回答。2点目に対しては、今年3月のダイヤ改正で特急列車・座席指定列車の増発、各種の運転時分変更を行ったと説明した上で、「貴重なご意見として参考にさせていただき、最適なダイヤを提供できるよう検討します」と話した。加えて、東村山駅の高架化に関して、2025年度上期に新宿線下り線を高架化する予定とのことだった。 ■設備投資のあり方や地域との連携は 次の男性株主は、西武鉄道で今後導入する「サステナ車両」(小田急電鉄8000形・東急電鉄9000系)や、グループ会社の伊豆箱根鉄道・近江鉄道を例に、西武グループとしての設備投資のあり方について質問した。これに対して、西武ホールディングス上席執行役員の原田武夫氏が回答した。