阪神・岡田監督と妻・岡田陽子さんの結婚生活41年「夫は何でも〈アレ〉と言います。内輪の暗号みたいなものだったのに…」
〈発売中の『婦人公論』12月号から記事を先出し!〉 18年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた阪神タイガース。チームを率いたのは、65歳の岡田彰布監督だ。2度目の監督就任に、妻・陽子さんはどう感じたのか。優勝を意味するスローガン「A.R.E.」の秘話も含め、二人三脚で戦ってきた日々を振り返る。(構成:小野寺亜紀) 【写真】1985年、サヨナラホームランを放ち、両手を上げて飛ぶ岡田選手 * * * * * * * ◆夫は何でも「アレ」と言います 阪神タイガースがリーグ優勝を果たした9月14日、私も孫たちと一緒に阪神甲子園球場で応援していました。あの、球場が揺れるような声援や、優勝が決まった時の「岡田コール」にはウルッとしましたね。小学1年と3年の孫は、やっと野球のルールがわかってきた年頃。インドネシアに単身赴任している息子(陽集さん)が、「息子たちにも一生の思い出になるだろうから」と、東京に住む孫やお嫁さんに、球場へ行くことを勧めてくれたようです。 夫が阪神タイガースの監督に再び就任したのは2022年の秋。65歳でセ・リーグ監督を務めるのは、史上最年長だそうですね。ありがたくも皆様に温かく迎えていただきましたが、本人はそれまでの10年間、野球解説者・評論家として活動し、ユニフォームを着ていません。すぐに実戦に戻れるのかが気がかりでした。 でも、思ったより体力がありましたね。ときどき疲れを口にしますが、「しんどいよ!」の声が力強いんです(笑)。さすがのスタミナ。現役で十何年レギュラーとして活躍し、引退後は阪神やオリックスの監督も務め、毎年140試合以上こなしてきましたから。 今年の阪神のスローガンは「A.R.E.」。優勝のことを指しています。夫が優勝と明言せず、「アレ」と言うようになったのは、オリックス・バファローズ監督時代(10~12年)。シリーズ終盤で負けてしまうことが多く、プレッシャーがかからないように、というところからだったかと。 確かに夫は何でも「アレ」と言います。言葉数が本当に少ない人なんです。休日もずっと黙っていて、話し始めたと思ったら、「今日、メシ、何?」ですって(笑)。主語が抜けていることも多いし、思いついたことを前置きなくポンポン言う。 だから選手も記者も、何を言ってるかわからないこともあるようです。でも皆さん、怖くて聞けない様子。ですから、裸の王様にならないよう、気づく範囲で、私が指摘することもあります。 スローガンの「A」「R」「E」は3つの単語の頭文字。当初は別の英語がひもづけられていたのですが、英語圏で長く暮らした私には「その使い方はちょっと……」という言葉でした。 それで、球団の方に「私にも考えさせていただけませんか」とお願いしたんです。言葉を書き出して1案にまとめ、お見せしたところ、採用していただいて。内輪の暗号みたいなものでしたのに、こんなに世の中から注目され驚いているところです。 夫は常々、「勝つ野球を教えたい」と言っていました。優勝は時の運。狙ってできるものではないけれど、今回のリーグ優勝は、長年真摯に野球に向き合ってきた夫に、野球の神様が「どうぞ」と、ご褒美をくれたのかなと思います。
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