第７２期王座戦第３局に臨む藤井聡太王座=日本将棋連盟提供

　将棋の藤井聡太王座（２２）＝竜王・名人・王位・棋王・王将・棋聖との七冠＝に永瀬拓矢九段（３２）が挑戦する第７２期王座戦５番勝負第３局は３０日、京都市のウェスティン都ホテル京都で指され、先手の永瀬九段が７９手目を考慮中に午後３時となり、おやつが運ばれた。チェスクロック使用の持ち時間５時間のうち、７８手目までの消費は藤井王座が２時間４３分、永瀬九段は２時間１１分。 ◆藤井聡太王座と永瀬拓矢九段、王座戦第３局午後のおやつ【写真複数】 　永瀬九段の誘導に２連勝で防衛に王手をかけている藤井王座が応じて、今タイトル戦３局連続で互いに角を手持ちにする角換わりの戦型となった。序盤は前例も多く、開始から１時間で６２手目に達する速いテンポで対局が進んだが、その後は少しずつ長い時間の考慮が多くなり、藤井王座が７６手目、７８手目と連続で３５分以上使った。永瀬九段も７９手目に２５分を投入し、互いの陣形を崩そうと試みた。おやつは藤井王座が「宇治抹茶のクリームブリュレ」とアイスティー、オレンジジュース、永瀬九段はドリンクのみでアイスカフェラテ、グレープフルーツジュース、アップルジュースを注文した。

第７２期王座戦第３局に臨む挑戦者の永瀬拓矢九段=日本将棋連盟提供

　本棋戦は同日夜に決着の見込み。６０秒未満の指し手は時間消費にならないストップウオッチ使用と違い、使った分だけ秒単位で消費されるため、スピーディーでスリリングな展開となりやすいと言われている。前期の第７１期王座戦も同じ顔合わせで立場が逆だった。本対局場は前期第４局が開催され、藤井七冠が永瀬王座を下し３勝１敗でタイトルを奪取、史上初の全八冠制覇を達成した。両者の公式戦対局成績は藤井王座の１７勝７敗。タイトル戦では過去２度対局し、藤井王座から見て奪取１、防衛１。