スタイリストchizuさんの高知旅【前編】朝ドラで全国区!牧野富太郎ゆかりの地を訪ねて
若き牧野少年が足繁く通った 横倉山周辺、越知町
足を伸ばして、越知町へ。アカガシの原生林や希少植物が今も多く残る横倉山があり、若き日の富太郎は、この山に魅せられて足繁く通ったそうです。 牧野博士が横倉山で採集した植物の紹介や、化石や隕石なども展示する『横倉山自然の森博物館』を訪ねました。 森に包まれるように佇むソリッドな建物は、安藤忠雄氏の建築。周辺の自然に敬意を払い、やがて森に覆われる未来を想定して建てられたといいます。 牧野博士は、この横倉山でジョウロウホトトギスを発見(牧野植物園でも見ることができます)。植物学者のマキシモヴィッチ博士が学名を、牧野博士が和名をつけたことで有名になりました。また、横倉山の麓に立つ社「横倉宮」の横に現存するヨコグラノキは、新種記載のため標本を採集したりと、博士は横倉山で採集した25種類の植物の名を付けたそうです。 「自然がたくさん残る山の中に博物館があるなんて! やがて森に覆われてしまう未来を良しとする考え方や、抱えきれないほどある自然のナゾに向き合う職員の方々の姿から牧野博士に通じるものを感じました。博物館のテラスから見た越知町の景色は、ずっと見ていたかった!」(chizuさん) 横倉山自然の森博物館 住所:高知県高岡郡越知町越知丙737-12 TEL:0889-26-1060 開園時間:9:00~17:00(最終入場16:30) 休館日:毎週月曜(祝日の場合は翌日)、12/29~1/3 ホ―ムページ:
牧野博士の生まれ故郷、 酒蔵のまち佐川町
牧野博士が生まれた町、佐川町。造り酒屋の一人息子として生まれましたが、植物研究に没頭するため酒蔵を人手に譲り、のちに老舗酒造メーカーの「司牡丹酒造」が譲り受けました。 立派な看板と杉玉が掲げられた司牡丹酒造。約400年前、1603年にこの町で創業した老舗の貫禄と、情緒ある街並みが調和しています。 もともと酒蔵にも興味があるというchizuさん。「長い歴史を持つ酒蔵の姿を見られて感激。タイムトリップしたかのような町並みが素敵です」 取材に訪れたのは5月下旬。ちょうど酒造りはお休みの時期でしたが、出荷直前を見学できたのが、「マキノジン」という牧野博士の名前が商品名になったジンです。 ジンをつくる蒸溜器は、牧野博士の生家の蔵に設置されたもの。10年ほど使われず老朽した蒸溜器を蘇らせたのは、高知市内でBARを営む塩田貴志氏。バーテンダーとしての経験と技術によってクラフトジンが完成。蒸溜器のある場所がもともと牧野の生家の蔵だったことから「マキノ蒸溜所」と名付けられた…というストーリー。 後日の夜、塩田さんのBARでマキノジンのお酒を一杯。「旬の小夏とボタニカルなフレーバーが暑さを忘れさせてくれました」(chizuさん)