第81回ベネチア国際映画祭、ティム・バートン「ビートルジュース ビートルジュース」で華やかに開幕 個性的な審査員メンバーずらり
第81回ベネチア国際映画祭が、現地時間の8月28に開幕した。オープニング作品は、36年ぶりの続編お目見えとなったティム・バートンの「ビートルジュース ビートルジュース」。前作「ビートルジュース」の35年後を描き、マイケル・キートン、ウィノナ・ライダーらオリジナル・キャストに加え、新たにジェナ・オルテガ、モニカ・ベルッチ、ウィレム・デフォーらが加わった。前作のスピリットを汲んだ、痛快なホラー・コメディでベネチアを沸かせた。 21本揃ったコンペティションの話題作は、トッド・フィリップスの「ジョーカー」続編、「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」、アンジェリーナ・ジョリーがオペラ歌手のマリア・カラスに扮するパブロ・ララインの「Maria」、ニコール・キッドマンとハリス・ディキンソンが禁断のSM関係を持つ「Babygirl」、ルカ・グァダニーノとダニエル・クレイグがタッグを組んだ「Queer」、ペドロ・アルモドバルがジュリアン・ムーアとティルダ・スウィントンを起用し始めて英語映画を撮った「The Room Next Door」ウォルター・サレスの12年ぶりの長編フィクション「Ainda Estou Aqui」あたり。 アウト・オブ・コンペティション部門には、ブラッド・ピットとジョージ・クルーニーが組んだジョン・ワッツの「ウルフズ」、カンヌで披露されたケビン・コスナー監督作「Horizon: American Saga – Chapter1」に続く「Chapter 2」、今年栄誉賞を授与されるクロード・ルルーシュの新作「Finalement」、ハーモニー・コリンの「Baby Invasion」、さらに日本から黒沢清の「Cloud クラウド」、北野武が監督、脚本、主演を務めるAmazon Original映画の「Broken Rage」などがある。 コンペティションに日本映画はないものの、他にもオリゾンティ部門に空音央の「HAPPYEND」、併設部門である「ベニス・デイズ」のオープニング作品として、五十嵐耕平の「Super Happy Forever」が並ぶ。 メイン・コンペの審査員メンバーは、イザベル・ユペールを審査員長に、チャン・ツィイー、アグニエシュカ・ホランド、ジュゼッペ・トルナトーレ、ジェームズ・グレイ、アンドリュー・ヘイ、クレベール・メンドンサ・フィリオ、アブデラマン・シサコ、ジュリア・フォン・ヘインズと、むしろ個性的な監督が多い。この面子から予想するなら、スターの出演作よりもあまり知られていない監督のエッジーな作品に軍配があがりそうだ。結果は9月7日のクロージング・セレモニーで発表となる。(佐藤久理子)