新作映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』福田己津央監督「僕としては20年ではなく2、3年くらいしかたってない気持ち」
――モビルスーツ戦だけでなく、戦艦同士の戦闘も見応えがありました。 福田 僕が戦艦好きなんで、戦艦をカッコよく描くっていうのは、自分的には一番のテーマのひとつでしたね。戦艦好きの人は今作の新型戦艦のデザインに注目してもらいたいですし、戦艦が飛翔するシーンは絶対にちゃんとやろうって自分に誓ってました(笑)。 ――「SEEDシリーズ」は過去の「ガンダム」作品へのオマージュも多いですが、今作もてんこ盛りでしたね。また、「SEEDシリーズ」のセルフオマージュともいえるシーンも印象的で、劇場作品にふさわしい"お祭り"感が味わえました! 福田 ネタ(オマージュ)はかなり意識して入れましたね。『機動戦士ガンダム』や『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』あたりの作品とか、「ガンダム」以外でも僕が演出を担当した『機甲戦記ドラグナー』のネタも入れ込んでいます。細かいところにもいろいろ入れているので、ネタ元が全部わかったら大したものです(笑)。 ――ファンが絶対に喜びそうなシーンの連続なので、『ガンダム』好き、『SEED』好きなら絶対に劇場で見るべし! ●福田己津央(ふくだ・みつお)1960年生まれ。87年の『機甲戦記ドラグナー』で演出を担当し、91年にスタートした『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』シリーズの監督、2002年にスタートした「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」の監督を務める ■劇場版『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』とは?テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』(2002年)、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(04年)からなる「SEEDシリーズ」。 モビルスーツ人気だけでなくキャラクター人気も非常に高く、従来のガンダムファンとは異なる女性アニメファンやコスプレイヤーといった層の開拓にも成功。シリーズ累計のパッケージ販売数は400万本を超えており、45周年となる「ガンダムシリーズ」における"中興の祖"ともいえる作品なのだ。 物語は、自然のままに生まれた人類「ナチュラル」の地球連合軍と、遺伝子調整をされている人類「コーディネイター」のザフトの対立を描く。 『SEED』の主人公は、コーディネイターでありながら地球連合軍側について戦うことになるキラ・ヤマト。2年後を舞台とした続編『DESTINY』の主人公は、ザフトのエースパイロットであるコーディネイターのシン・アスカ。さらにその2年後が舞台となる今回の劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』では、キラ・ヤマトが主人公となっている。 取材・文/昌谷大介(A4studio) ©創通・サンライズ