旧長生炭鉱事故 国による調査は現時点では「困難」
KRY山口放送
戦時中の水没事故で犠牲者の遺骨が海底に残されたままとなっている宇部市の旧長生炭鉱。 厚生労働省の福岡大臣は5日、国による調査は現時点では考えていないとしました。 宇部市の旧長生炭鉱では戦時中の水没事故により183人の犠牲者の遺骨が海底に残されたままとなっています。 犠牲者の遺骨収集を目指す市民団体は、坑道の入口=「坑口」を掘り起こし、先月、潜水調査を行いました。 市民団体ではこれまで、国による調査や支援などを求めてきましたが、朝鮮半島出身労働者の遺骨実地調査などを行っている厚生労働省の福岡大臣はきのうの会見で、「現時点では調査の実施や民間の調査への協力は考えていない」としました。 (福岡厚労相) 「長生炭鉱の遺骨については海底の坑道内に水没しておりまして遺骨の具体的な所在が特定できないということであったり、日本人の遺骨と混在をしており返還が難しいこと、坑道の入り口の坑口、および海底の坑道の安全性が確認できていないこと等を考慮しますと実地調査の範囲を超えておりまして(調査の)対象とすることは困難であると考えています。」 市民団体は今回の国の対応に対し、「我々は一片のご遺骨を見つけるために、これまで通り、努力を続けていきます。」とコメントしています。