新王者・岩田翔吉は山本“KID”徳郁さんが「原点」世界ベルト持参で「お墓参りに」
＜こんな人＞ ＜ボクシング：WBO世界ライトフライ級王座決定戦12回戦＞◇13日◇東京・有明アリーナ WBO世界ライトフライ級1位の岩田翔吉（28＝帝拳）が新王者となった。無敗の同級2位ハイロ・ノリエガ（31＝スペイン）と世界ベルトを懸けて拳を交え、3回3分0秒、TKO勝利を収めた。同回に右ショートアッパーでダウンを奪取。立ち上がってきたノリエガに左フックでダウンを追加し、レフェリーストップに追い込んだ。22年11月以来、2度目の世界挑戦で王座獲得に成功。早大出身初の世界王者となった。またIBF世界同級王者矢吹正道（32＝LUSH緑）との統一戦を希望した。 ◇ ◇ ◇ 岩田のファイター人生において18年9月、多臓器不全で他界した総合格闘家の山本“KID”徳郁さんが「原点」だ。9歳の時、KIDさんのジム「KILLER BEE」に入門。中学2年時からボクシングに専念した後も本人や家族、弟子となるファイターたちの交流を継続し合宿にも参加した。KIDさんの誕生日（3月15日）に取材した際、岩田は「やはりKIDさんのことを考える」ともらすほど心酔している。 22年12月、ゴンサレス戦で負けると「面白い試合をしたかった」とポツリ。それはKIDさんの現役時代を意識した言葉だった。04年大みそか、K－1ルールで魔裟斗と名勝負を繰り広げるなどファンを熱狂させた勇姿が常に脳裏に焼きつく。9月の七回忌の法要は世界戦前で出席できなかった。世界ベルト持参で「お墓参りに行く」と決めている。【藤中栄二】
