“遅咲き”の6歳ハギノアレグリアスに馬券的妙味。主役級のレモンポップは距離延長に疑問【チャンピオンズC】
12月3日、秋のダート王決定戦チャンピオンズカップ(GⅠ、中京・ダート1800m)が行なわれる。 【動画】混戦模様のチャンピオンズCを制すのは? 参考レースで出走馬をチェック 重賞戦線で実績を持つ馬たちが顔を揃え、それぞれが長短併せ持つ状況だけに、混戦が予想される一戦。そのなかでマークしておきたい有力馬をプロファイリングしてみよう。 主役級の人気が予想されるレモンポップ(牡5歳/美浦・田中博康厩舎)は、今年のフェブラリーステークスを制したGⅠホース。父は米国のダートGⅠを5勝した名馬レモンドロップキッド(Lemon Drop Kid)。母の父はGⅠを6勝して芝・ダートを問わず活躍し、種牡馬としても成功したジャイアンツコーズウェイ(Giant's Causeway)という良血は、世界に冠たるゴドルフィンの所有馬らしい血統だ。 これまで13戦の成績は〔9・3・0・1〕と、海外遠征となったドバイゴールデンシャヒーン(GⅠ、メイダン・ダート1200m)の10着以外は、すべて2着以内という安定性もずば抜けたものだ。 ただし引っ掛かるのは、これらの成績はすべて1600m以下でのもので、1800mという距離は今回が初となる点。田中調教師も距離延長について、「そもそもマイルでも長いと思っていた子なので、正直自信がありますともなかなか言えない状況ではあります」と不安材料であることを認めている。同時に「いつもこちらの想像を超えるパフォーマンスを見せてくれた子なので、その点で期待と不安が半々といったところです」とコメントしている。 血統的には距離延長をこなして何の不思議もない馬だが、戦歴とトレーナーのコメントをストレートに受け取れば、本馬を主力視するのがリスキーなのは確か。ここは対抗格の評価にとどめたい。 本稿で馬券的な妙味を含めて主軸として推したいのは、ハギノアレグリアス(牡6歳/栗東・四位洋文厩舎)だ。 6歳ながらまだ15戦しかキャリアがないのは、3連勝でオープン入りを決めた後、両前肢に屈腱炎を発症し、1年8カ月もの長期休養があったため。昨年6月に戦線復帰を果たしてからはポテンシャルの高さを発揮。みやこステークス(GⅢ)、東海ステークス(GⅡ)を連続2着し、続く交流GⅢ名古屋大賞典で重賞初勝利。その後も、平安ステークス(GⅢ)で2着に入る安定感を見せている。 初のGⅠ(JpnⅠ)挑戦となった帝王賞は4着止まりだったが、夏の休養を経て臨んだ9月末のシリウスステークス(GⅢ)ではトップハンデ(58.5キロ)を課されながらも、最速の上がり(36秒9)を記録して中団から差し切り勝ちを収めている。 休養後に、それまで管理していた松田国英調教師から本馬の管理を引き継いだ四位調教師は、「(屈腱炎の)再発が怖かったが、ここまで無事にこられたのは多くの関係者のおかげですが、一番偉いのはこの馬自身だということです」とコメント。続けて、「強い相手にも大崩れしない馬で、安定して走ってくれる。ここは今年の大目標と考えていたレースで、無事にたどり着いただけに、どのような競馬をしてくれるか楽しみ」と期待を持っている。 年齢的には6歳というベテランの域に達してはいるが、使ったレース数が少ないこともあって、まだ伸びしろはあると筆者は見ている。順調に来ているとはいえ、脚元に古傷を抱えている彼にとっては一戦入魂の大一番。ゆえに本稿ではハギノアレグリアスを主軸として推してみたい。