ロマンス詐欺被害から詐欺組織に加担 大阪府警元巡査の被告、佐賀地裁で初公判
SNS(交流サイト)による詐欺事件に関与したとして佐賀県警が逮捕し、詐欺罪に問われた大阪府警の元巡査の女性被告(25)=大阪市=の初公判が23日、佐賀地裁(岡﨑忠之裁判官)であった。被告は、恋愛感情を抱かせる手口の国際ロマンス詐欺に自身がだまされ、その後に詐欺組織に加担するようになった経緯を明かした。検察側は懲役3年を求刑し、結審した。 検察側は冒頭陳述で、被告がロマンス詐欺の被害に遭った後に「取り戻す方法がある」と説明され、詐欺組織の現金の受け取り役になったことを明らかにした。指示通りに複数の銀行口座を開設していて、「暗号資産にかえて詐欺組織に送金した役割は大きい。報酬欲しさに犯行を継続している」と指摘した。 被告人質問で被告は、SNSで知り合った韓国人男性をかたる人物に詐欺に遭ったとしつつ、「市民を守る立場なのに、お金に目がくらんだ。申し訳ないことをしてしまった」と述べた。弁護側は最終弁論で、被告が起訴後、懲戒免職処分を受けたことや被害者と示談した事情を挙げて執行猶予を求めた。 起訴状などによると、共謀してSNSでカナダ人の男性医師らを名乗ってメッセージを送り、昨年7~9月に小城市の当時50代女性から20万円を、埼玉県の当時60代女性から70万円を振り込ませたとしている。