NY市場サマリー(10日)S&Pとダウ上昇、ドル小幅高
<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが小幅上昇した。 主要通貨に対するドル指数は0.09%高の105.31。ユーロ/ドルは0.08%安の1.0772ドルとなった。 市場では、来週発表される米CPIや卸売物価指数(PPI)、小売売上高などの経済指標が注目されている。 バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「CPIで全般的な見方が変わるとは思わない。物価上昇圧力は高止まりしているものの、下落傾向が示され、前年比で見ると弱い内容になるだろう」とし、「重要なのは、数字ではなく方向性だ」と述べた。 この日はダラス地区連銀のローガン総裁が、FRBの政策金利がインフレ率の2%目標回帰に向けて十分制約的であるかは不明で、利下げは時期尚早と発言。ドル支援要因になった。 一方、アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、利下げの時期と幅は不透明なものの、インフレ率の低下が緩やかであっても、FRBは年内に利下げする公算が大きいと指摘。シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、FRBの金融政策は「比較的引き締め的」との見方を示した。 CMEフェドウオッチによると、先週の予想を下回る米雇用統計のほか、米連邦準備理事会(FRB)の政策発表を受け、市場では年内計約50ベーシスポイント(bp)の利下げが織り込まれており、9月に少なくとも25bpの利下げが行われる確率は62.2%となっている。 ドル/円は0.26%高の155.86円。週初からは約1.9%上昇した。前週は政府・日銀による介入と思われる動きを受け、ドルは対円で3.4%下落していた。 ポンド/ドルは0.02%高の1.2525ドル。10日発表の英国の第1・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.6%増と、2021年第4・四半期以来の大きさとなり、23年下半期の緩やかな景気後退から脱却したことが示された。 NY外為市場:[USD/J] <債券> 国債利回りが上昇した。FRBの金融政策の行方を見極めようと、来週発表される4月のインフレ指標が注目されている。 先週は4月の雇用統計が予想を下回ったことを受け利下げ観測が再燃し、国債利回りは1カ月ぶりの低水準を記録。利下げ観測が一段と強まるには、インフレ率がFRBが目標とする2%に近づいていることが経済指標で確認される必要がある。 BTIGのマネジングディレクター兼グローバル金利取引共同責任者、トム・ディ・ガロマ氏は、インフレが一段と低下すれば「確実に利下げのきっかけになる」と述べた。 来週は14日に4月の生産者物価指数(PPI)、15日に4月の消費者物価指数(CPI)と4月の小売売上高が発表される。4月のCPIについて、ロイターがまとめたエコノミスト予想は前月比0.3%上昇、前年比3.6%。 この日発表の経済指標では、ミシガン大学の5月の消費者信頼感指数(速報値)が67.4と、6カ月ぶりの水準に低下。期待インフレ率は、1年先と5年先が共に上昇した。 終盤の取引で10年債利回りは6ベーシスポイント(bp)上昇の4.504%。 2年債利回りは6bp上昇の4.868%。 2年債と10年債の利回り格差はマイナス36bpと、ほぼ横ばい。 米金融・債券市場:[US/BJ] <株式> 米国株式市場はS&P総合500種とダウ工業株30種が小幅に上昇した一方、ナスダック総合はほぼ変わらずとなった。来週に重要なインフレ指標の発表を控える中、FRB当局者の発言を消化した。 週間では主要3株価指数全てが上昇。ダウの週間上昇率は昨年12月中旬以来の大きさとなった。 S&P500の主要11セクターのうち、主要消費財が上昇率トップだった一方、一般消費財株は下落率トップだった。 第1・四半期の決算発表シーズンが終盤に近づいており、LSEGによると決算を発表したS&P500構成銘柄459社のうち77%が市場予想を上回る業績となった。 個別銘柄ではエヌビディアが1.3%上昇。半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が4月の売上高が約60%増加したと発表したことを受けた。 米バイオ医薬品会社ノババックスは98.7%急騰。製薬大手仏サノフィと最大12億ドルのライセンス契約を締結したことを受けた。 音声AIプラットフォームサービスを提供するサウンドハウンドAIは7.2%高。第1・四半期の売上高が予想を上回った。 ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.10対1の比率で上回った。ナスダックでも1.59対1で値下がり銘柄が多かった。 米取引所の合算出来高は94億7000万株。直近20営業日の平均は108億7000万株。 米国株式市場:[.NJP] <金先物> 中東情勢の悪化をにらんだ安全資産としての金に注目が集まり、続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比34.70ドル(1.48%)高の1オンス=2375.00ドル。週間では2.88%高だった。 NY貴金属:[GOL/XJ] <米原油先物> 米利下げ期待の後退が重しとなり、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.00ドル(1.26%)安の1バレル=78.26ドル。7月物は0.96ドル安の77.84ドルだった。 NYMEXエネルギー:[CR/USJ] ドル/円 NY終値 155.72/155.75 始値 155.73 高値 155.9 安値 155.61 ユーロ/ドル NY終値 1.0769/1.0773 始値 1.0777 高値 1.0789 安値 1.0761 米東部時間 30年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.00 4.6425% 前営業日終値 100*12.50 4.6010% 10年債(指標銘柄) 17時05分 99*00.00 4.5003% 前営業日終値 99*13.00 4.4490% 5年債(指標銘柄) 17時05分 100*15.25 4.5164% 前営業日終値 100*23.25 4.4600% 2年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.13 4.8719% 前営業日終値 100*04.00 4.8070% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 39512.84 +125.08 +0.32 前営業日終値 39387.76 ナスダック総合 16340.87 -5.40 -0.03 前営業日終値 16346.27 S&P総合500種 5222.68 +8.60 +0.16 前営業日終値 5214.08 COMEX金 6月限 2375.0 +34.7 前営業日終値 2340.3 COMEX銀 7月限 2850.6 +14.1 前営業日終値 2836.5 北海ブレント 7月限 82.79 ‐1.09 前営業日終値 83.88 米WTI先物 6月限 78.26 ‐1.00 前営業日終値 79.26 CRB商品指数 289.4686 ‐0.5203 前営業日終値 289.9889