「販売員DX」セミナー開催 アダストリアとパルが明かすデジタル時代の“勝ちパターン”
「WWDJAPAN」は2024年度、月に1回の頻度でセミナーを実施している。9月に実施したテーマは「販売員DX」。デジタル化が急速に進んだ現在、現場に立つ販売員とSNSなどのプラットフォームを結びつけた、新たな戦略で業績を伸ばす企業が注目を集めている。その代表的な企業であるアダストリアとパルから、施策のかじを取るデジタル担当役員と、10万人以上のフォロワーを抱える販売員らが登壇した。具体的な施策から、SNSに特化した販売員の育成方法までに迫り、デジタル時代における、新たな成功法則のヒントを探った。 【画像】「販売員DX」セミナー開催 アダストリアとパルが明かすデジタル時代の“勝ちパターン”
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アダストリアの
「販売員を孤独にさせない」デジタル戦略
アダストリアからは田中順一・執行役員兼マーケティング本部長と、SNS総フォロワー数36万人のバヤコさんが登壇した。同社のデジタル戦略の鍵を握るのは、公式オンラインストア「ドットエスティ(.st)」と、その内部にある販売員のスタイリング投稿コンテンツ“スタッフボード”だ。現在、投稿に参加するスタッフは4000人を超え、同コンテンツを経由しての売り上げは、EC売り上げ全体の約30%を占める。
田中執行役員は、コンテンツの仕組みや、システムを自社開発しているからこそのスピーディーな改善プロセスに触れ、“分析”“報酬”“教育”の3つが、販売員DX成功のための“三種の神器”であると説明。次世代の販売員をバックアップする態勢作りが重要であると解説した。 「SNSでの活動は孤独な作業が多い」と話すバヤコさんは、DXの成果を最大化する鍵は「販売員を“孤独にさせない”こと」だと続ける。細かな作業の分担や、投稿へのリアクションなどで当事者以外が積極的に関わりを持つことの必要性を訴えた。ほかにも、会社の仕組み・ルールと個人に任せることのバランスとして“ハーフ&ハーフ”と呼ぶ戦略や、“バヤコ”の誕生秘話、報酬の考え方など、盛りだくさんの45分間となった。