SF映画に出てきそうな謎の巨人像!地中海に浮かぶ古代文明の島サルデーニャに注目
イタリア半島の西方、地中海に浮かぶサルデーニャ島の西海岸モンテプラマで1970年代、謎めいた石像の破片が見つかった。何十年にもわたる発掘と、それに引き続く復元作業の結果、様々な姿の石像が復元された。
「ボクサー」に似ているとされる像は、アルファベットのTのように並んだ眉と鼻、そして二重の同心円が二つ並び、それが両目のように見える。 両目やアゴの形をみると、SF映画「スターウォーズ」に出てくるロボット「C-3PO」にもどこか似ている。ボクサーはがっちりした体形で、腕を頭上にして盾をかかげている。右手にまるでボクシングに用いるような手袋をつけている。体長は2メートルほどだ。
考古学者は、ボクサーに分類されるグループのほか、弓をもった射手やほかの種類の戦士の3グループに分けて研究を進めているという。 サルデーニャ州からこのほど、こうした考古学の調査研究に携わっているモンテプラマ財団や、島内の経済開発行政、ワイン産業、教育交流関係者などの代表団が来日、12月6日に在日イタリア大使館でセミナーを開催した。 その中で、モンテプラマ財団のアンソニー・ムローニ会長は、こうした巨像がかつてサルデーニャで栄えた「ムラーゲ文明のものである」とし、数多くの建造物も残るサルデーニャ島が古代文明遺跡の魅力に満ちた場所であるとアピールした。 ムラーゲ文明はサルデーニャ島で紀元前18世紀から紀元前8世紀の長きにわたり栄えたとされる。
同財団でマーケティング・コミュニケーションを担当するサラ・ファッダ氏が、モンテプラマ遺跡のほか、様々な遺跡があるシニス自然公園の魅力、ガイドツアー、ワインや食事も楽しめることを解説した。 シニス半島南端部にあるタロス考古学地区の写真もセミナーで紹介された。ここの丘の上には「サンジョバンニの塔」があるが、これはムラーゲ文明の時代とは異なり、遺跡のなかでは比較的新しい構造物で15世紀から16世紀ごろに建てられたとされる。シニス半島に隣接するラグーンにはフラミンゴも飛来。この地域の魅力に彩りを添える。 セミナーでは、サルデーニャ島で長年栽培されているブドウ品種「カリニャーノ」を用いたワインについての説明も行われた。「カリニャーノ」を使ったワインは日本を含む約40か国に輸出しているという。