17試合連続無失点中のロッテ・国吉佑樹「1球、2球で打ち取っていけたほうがいい」現在の投球スタイルに行き着いたきっかけ
今季のロッテ・国吉佑樹は、31試合・31イニングを投げて、投げた球数は466球、1イニングあたりの球数は15球と少ない。 15日の日本ハム戦も、1-6の7回にマウンドに上がり、先頭の水野達稀を1ボールからの2球目のストレートで二ゴロ、続く松本剛を1ボール2ストライクから5球目のフォークで遊直、最後は細川凌平を初球のストレートで右飛と、危なげなく1イニングをわずか8球で終えた。 DeNA時代の19年には奪三振率10.51、ロッテ移籍前の21年は奪三振率11.22を記録していたが、今季は開幕から打たせて取るスタイル。これが良い方向にいっている。 「連戦が続くのでより少ない球数で終えられるんだったら、それはそれで良いことだと思っています。球数が多いと次の日の登板に影響したり、そもそも投げさせてもらえなかったりする。球数少なければ多く投げられるチャンスが増えるというか、メリットでしかない。より少なく終われるのであれば、それはそれでいいのかなと思います」。 7月13日の取材で「打たせていったほうが結果も今はいい方向に転んでいる」と話していたが、こういう投球スタイルに行き着いたきっかけはあるのだろうかーー。 「もともとコントロールが良いピッチャーではないので、打たれたくない気持ちがある中、コース、コースを狙ってそれがボール、ボールとなっていくと、自分自身が不利になるだけ。多少甘いゾーンでもバッターに振ってきてもらったほうがヒットになるケースもありますけど、それで打っても3割なので、打たせて取りたいゾーンに投げるほうが良い方向に繋がっている。それでもいいんじゃないかなとなりました」。 これまでの自身の経験を踏まえても、現在の形の方がいいなという答えになったのだろうかーー。 「そうですね。このケースは長打を打たれてはいけないとか、色々ありますけど、そうじゃないケースの時は思い切って大胆に。どんどんストライクでというつもりで投げています」。 今までは三振を取るスタイルだった。三振を取りたいなという気持ちはないのだろうかーー。 「三振を取るために2ストライクに追い込まないといけない。2ストライクに追い込むまでの2球で打ち取れるんだったら2球で終わりますし、三振を取れるなら取りたいですけど、それ以前で終わるならいいかなと思っています。2ストライク取ったら、ちょっと狙ってみようかなという気持ちが出るくらいです」。 それは少ない球数で抑える方が、たくさん登板できることも関係しているのだろうかーー。 「そうですね、そこが一番なので。どうしても三振を取りたいケースが場面によってはあります。もちろん三振を初球から狙っていく時も当然ありますけど、そうじゃない時は三振で3球かかるんだったら、1球、2球で打ち取っていけたほうがいいので、はい」。 三振へのこだわりもありつつ、打たせて取る投球スタイルで、今季は開幕から安定した投球を披露し、31試合・31イニングを投げ、2勝0敗7ホールド、1セーブ、防御率1.45、現在17試合連続無失点中だ。「ここから勝負なので、8月、9月。1試合でも多くチームとしても勝っていきたいですし、1個でも上の順位でシーズンを終えたいと思っている。そのために1試合でも多く貢献できれば」。スタイルチェンジし復活した国吉は、今日もチームの勝利のため腕を振る。 取材・文=岩下雄太
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