【桜花賞回顧】J.モレイラ騎手の騎乗光る ステレンボッシュの勝因は4コーナーにあり
オークスで追いかけたい3、4着
3着は4コーナー最後方から追い込んだライトバック。序盤600m34.5、前後半800m46.3-45.9、ラスト600m34.1と流れとしてはスローに近く、追い込みが決まる状況ではなかったこともあり、1、2着とは位置取りの差が出てしまった。トライアルで逃げて権利を獲った馬たちが行かず、抽選突破のショウナンマヌエラが逃げたことで、想定より遅い流れになったのは痛かった。この状況下で3着まで来たのは能力そのもの。悲観することはない。マイラーではなさそうで距離延長を味方に次は反転してくるだろう。4着スウィープフィートも同様で、桜花賞で遅れ差しの形で敗れた馬はぜひオークスで買いたい。 今年は直行組に各トライアルで権利を獲得した馬がすべて出走してきた。状況的には最高の舞台の桜花賞だった。一方、人馬とも無事にゲートインできたわけではなく、エトヴプレに騎乗予定だった藤岡康太騎手は前日の阪神競馬で落馬し、乗り替わりになった。全人馬、無事に舞台に立つ難しさを感じた。しかし、そのエトヴプレは5着と掲示板を確保した。前走より遅い流れになったなか、2番手に控え、切れ味比べになったのは分が悪かったが、それでも0秒3差5着に踏ん張った。外回りのマイルGⅠでこれだけ戦えるなら、むしろ将来は明るい。夏には古馬相手に重賞を勝っていても不思議はない。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳