【Playback箱根駅伝】第88回/東洋大・柏原竜二またも区間新! 大会記録を8分以上も更新する歴史的V
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第88回箱根駅伝総合成績をチェック
第88回(2012年/平成24年) 明大・49年ぶりトップスリー 2区・出岐が区間賞の青学大は44年ぶりの最高順位更新
前回王者の早大、出雲駅伝を制した東洋大、全日本大学駅伝優勝の駒大による「3強」の争いが予想された第88回大会。10月の予選会では順大と国士大が3年ぶりに本戦へと駒を進めた一方で、日大が15年ぶりに、専大が8年ぶりに予選会敗退を喫した。 1区では早大・大迫傑(2年)が5km過ぎに集団から抜け出し、ただ1人付いていった日体大の服部翔大(2年)を11km過ぎに振り切って2年連続の区間賞を獲得。服部が23秒差の2位、3位集団から抜け出した駒大の撹上宏光(3年)が1秒差の3位と続いた。東洋大も駒大から7秒差の4位と、優勝候補はそれぞれ好スタートを切った。 2区では早大の平賀翔太(3年)が独走状態を築き、日体大、駒大、東洋大、城西大が2位集団を形成する展開へ。終盤では青学大の出岐雄大(3年)、明大の菊地賢人(3年)も2位集団に加わり、最後は集団から抜け出した東洋大の設楽啓太(2年)が平賀を抜き去り、トップ中継。早大が2位で続き、9位から3位まで押し上げた出岐が区間賞を獲得した。 3区では前回激しいバトルを繰り広げた東洋大と早大が先頭を争うも、東洋大の山本憲二(4年)が早大の矢澤曜(4年)を突き放し、1分03秒差をつけて4区へタスキリレー。区間トップは山梨学大のオンディバ・コスマス(4年)で、竹澤健介(早大)の持つ区間記録を2秒更新する区間新で16位から7人を抜いた。 東洋大は4区の田口雅也(1年)も区間1位の走りで独走態勢を築き、前回まで3年連続区間賞の走りを見せていた5区の柏原竜二(4年)にタスキが渡った。初めて先頭で中継所をスタートした柏原は、2年前に自身がマークした区間記録を上回るペースで疾走。4年連続となる往路優勝のフィニッシュテープを切り、区間2位に約3分差をつける圧倒的な区間新記録を樹立した。 往路2位は早大で、この時点で東洋大との差は5分07秒。3位に明大、4位に駒大と続き、城西大が往路最高順位となる5位で折り返した。 2位以下のチームは逆転Vへわずかな望みにかけて復路をスタートしたが、2日目も東洋大が強かった。6区の市川孝徳(3年)、7区の設楽悠太(2年)、8区の大津顕杜(2年)、10区の齋藤貴志(3年)が区間賞。9区の田中貴章(4年)も区間6位と好走し、終わってみれば後続に9分02秒差をつける圧勝で2年ぶり3回目の総合優勝をつかんだ。総合タイム10時間51分36秒は、それまでの最高記録(前年に早大がマークした10時間59分51秒)を一気に8分以上も更新する驚異的な大会新だった。 2位は9区の窪田忍(2年)が区間トップの走りで順位を上げた駒大。3位に明大が入り、前回覇者の早大は4位に終わった。青学大が過去最高の5位、城西大も過去最高タイの6位と健闘し、順大も予選会から這い上がって5年ぶりのシードとなる7位に食い込んだ。 大会MVPの金栗四三杯は5区で4年連続の区間賞を区間新で飾った東洋大の柏原が受賞。東洋大は全10区間のうち6区間で区間賞を奪うなど、大会史に残る圧勝劇だった。
月陸編集部