ホンダ 全く新しい電動スポーツカーを開発中 EV版「NSX」登場か
次世代EV群の「象徴」として
2022年に販売終了したホンダのスポーツカー「NSX」は、EV(電気自動車)として数年以内に復活する可能性がある。 【写真】次期NSXのデザインはどうなる?【先進的なコンセプトモデルと最終型NSXタイプSを写真で比較】 (34枚) ホンダの三部敏宏CEOは、1月初旬の次世代EVラインナップ「0シリーズ」の発表後、すでに「EV時代のスポーツカーを研究・開発している」ことを明らかにした。実現すれば同社初の量産型電動スポーツカーとなる。 三部CEOは詳細については明言を避けたが、新型車の開発作業は「着実に進んでいる」と語った。 ホンダはEV開発を根本から見直し、室内空間の最大化、バッテリーの軽量化、安全性と効率性の向上を図った0シリーズを2026年からグローバル展開する。三部CEOの言及したスポーツカーは、その象徴的なモデルとなるだろう。 10日のCESで公開された0シリーズのコンセプトモデルを踏襲し、低車高でアグレッシブなシルエットを採用する見込みだ。 バッテリーは現在のものよりも大幅に小型化され、モーターやインバーター、ギアボックスを統合したeアクスルで駆動する。 ホンダがこれまでに生産したどのスポーツカーとも「まったく異なるテイストを持つ」とされ、独自のキャラクターと走る楽しさを追求しているという。研究開発の一環として、現在の電動スポーツカー市場を「よく分析している」と三部CEOは語ったが、具体的な競合車の名は挙げなかった。
不変のスポーツマインド、実現なるか
日本メーカーは近年、スポーツモデルに強い関心を寄せ、研究開発に力を入れている。トヨタの豊田章男会長も昨年、電動スポーツカーのプロトタイプのテスト走行を始めていることを明かした。詳細は語らなかったが、「この種のクルマでは、どんなパワートレインを使っていても、運転が楽しくなければならない」と意気込みを見せた。 豊田会長がトヨタのスポーツカー開発を熱心に後押ししているように、三部CEOもまたホンダの電動スポーツカー開発の原動力となっている。「量産や時期については未定ですが、個人的には実現させたいと思っています」と彼は言う。 ホンダの研究開発部門のトップだった2011年当時、NSXを電動車として復活させる計画を示唆した三部氏は、当時本誌の取材で「EVやハイブリッド車は、経済的であると同時に楽しいものになる」と語っていた。 最近では、新型プレリュード・コンセプトの発表の際にも「ホンダの不変のスポーツマインド」を強調している。 注目すべきは、ホンダの北米市場向け高級車ブランドであるアキュラが、NSXのミドエンジン・レイアウトを模したアグレッシブなシルエットの電動スーパーカー・コンセプトを予告していることだ。しかし、正式発表の日取りは明らかではない。
フェリックス・ペイジ(執筆) 林汰久也(翻訳)