海自鹿屋航空基地に弾薬庫2棟新設検討 戦闘継続能力強化へ全国で130棟増やす方針 陸自瀬戸内分屯地でも増設探る 防衛省
防衛省は2025年度、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)に弾薬庫2棟を新設するため、地形地質や測量などの適地調査を始める。同基地では、老朽化した格納庫などの建て替え工事にも着手する。30日に発表した25年度予算の概算要求に関連経費を盛り込んだ。 【写真】鹿屋市の位置を地図で確認する
弾薬庫は全国に約1400棟あり、政府は戦闘継続能力の強化に向けて32年度までに約130棟を新設する方針。25年度の県内での適地調査は鹿屋基地のほか、計8棟の整備を計画している陸自瀬戸内分屯地(瀬戸内町)でさらに増設が可能か検討する。 県内の施設整備関連の経費は265億円で、約5割の134億円を鹿屋基地の建て替えなどに充てる。老朽化するなどした既存施設を更新する「最適化事業」の一環で、全国の基地や駐屯地で施設の再配置や集約を実施。鹿屋基地は6年程度の工期を見込む。 陸自奄美駐屯地(奄美市)に置く約400人の電子戦部隊は、27年度に数十人規模で増強する。態勢強化に備え、装備品の保管庫の調査・設計費を積んだ。 洋上での情報収集や警戒監視の強化で、海自の滞空型無人機の取得費を計上。年内に機種を選定する。今年6~7月、鹿屋基地で試験運用したが、同省は「配備先は未定」としている。 空自下甑島分屯基地(薩摩川内市)では、固定式警戒管制レーダー「FPS-5」を9億円かけて改修。極超音速兵器などの新たな脅威に対処する。
西之表市馬毛島の基地整備関連は、具体的な金額を示さない「事項要求」とした。
南日本新聞 | 鹿児島
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