目指せ1日5アンダー 伸ばしあいの瀬田で躍動するのは米ツアー“日本代表”?【大西翔太のSHOWTIME】
<TOTOジャパンクラシック 事前情報◇30日◇瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72> 青木瀬令奈が妙なゴーグルをしてるけど…【写真】 日本で唯一開催する米国女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」が、滋賀県・瀬田ゴルフコース 北コースで行われる。優勝すれば米ツアーメンバー入り&シード権を獲得できるビッグトーナメントに、日本ツアーを代表する選手たちが挑む。その展望を青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が読み解く。 ■優勝スコアは“-20”? 瀬田GCで行われるのは2022年以来2年ぶり。ジェマ・ドライバーグ(スコットランド)が制した22年大会の優勝スコアはトータル20アンダー、コロナ禍により日本単独開催だった21年は古江彩佳がトータル16アンダーをたたき出した。例年と同様、伸ばしあいになることを予想する。 「ラフは長くなく、グリーンも柔らかくてキャリーで止まります。飛ばし屋の選手はスピンバックしすぎてしまうくらいのコンパクション。そのため、ピンをデッドに狙っていかないといけませんが、グリーンの傾斜はかなり強いので、外していいところと外してはいけないところを把握して、攻めていく必要がありますね。“目指せ1日5アンダー”です」 日米ともにポイントランキング上位者のみが出場するエリートフィールド。選抜された、いま調子が良い選手がそろっているため、「フェアウェイには運べるし、ショットもグリーンに乗せられる」というのは“当たり前”の光景にもなりそう。そのなかで、グリーンの傾斜を計算しながら、いかに近くにつけられるか。「ショットメーカーの選手が上位に来ると思います」と話す。 それだけではなく、グリーン上もポイントに挙げる。「基本は受けが強いです。3度以上の傾斜も多いです。横からでもかなり傾斜があるので、狙いに行き過ぎると3パットしてしまうリスクもあります。3パットは禁物です」。1メートルほどのパットも、決して気を抜くことができない。グリーン上では神経を使うことになりそうだ。 ■米ツアーで活躍する日本勢に注目 そのなかで、大西氏が活躍を期待するのが渋野日向子。2週間前には体調不良により開幕前に試合を棄権したが、「調子はだいぶ良くなっているように見えます」と話す。TOTO開幕前日にも、プロアマで9ホールを回ると、ショット、パッティングと午後3時半頃まで練習場で過ごしていた。「頑張ってほしいという思いと、日本という場所でみなさんからの想いに背中を押されながら、プレーしてもらいたいですね」とエールを送る。 さらに、古江彩佳、西郷真央といった今季好調の選手を並べる。メジャーチャンピオンの古江については、「コースで見ましたが、バシバシとショットがついていました。間違いなく、状態は良く感じます。優勝した思い出もあって相性はいいはずです」。今季2勝目も見えてきそうだ。 また新人賞争いでトップを走り、ルーキー優勝が待たれる西郷を、大西氏は「練習場で見ても、めちゃくちゃいい状態です」と絶賛する。日本ツアーは今季開幕戦「ダイキンオーキッドレディース」以来の出場だが、「そのときに比べると球が重くなりました。風に影響しづらい、力強い球を打っています」と分析。何度も優勝争いを繰り広げている中、「米ツアーで勝つのも時間の問題でしょう。それが今週になる可能性は大きいですね」と話す。 さらに、ショットメーカーの勝みなみも「飛んで曲がらないを作ることができる選手。キャリーもかなり出るのでアドバンテージになります」と注目候補だ。 日本選手のみならず、海外選手が日本に“来てくれている”というのも今大会の楽しみのひとつ。海外勢でピックアップしたのは「ずば抜けたショット力とパットを決めるセンスの持ち味」ブルック・ヘンダーソン(カナダ)と「365日、1年中調子が良くて、いつも安定している」ミンジー・リー(オーストラリア)。「ファンのみなさんには、ぜひ世界のトップ選手たちも会場に見に来ていただきたいです」とアピールした。 解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。