女子100メートル平泳ぎ予選で力泳する鈴木聡美（撮影・中村太一）

　◆パリ五輪・競泳女子100メートル平泳ぎ予選（28日、ラデファンス・アリーナ） 　日本勢の競泳五輪代表では史上最年長となる女子平泳ぎの33歳鈴木聡美（ミキハウス）＝福岡県遠賀町出身＝は1分6秒04で組2位。全体4位で同日の準決勝に進んだ。 ■美しく輝くエッフェル塔、パリ五輪開会式中の街の様子は…【写真】 　「泳ぐまでは本当に緊張していて、どうなのかな、大丈夫かなと思っていた」と言いながらも「飛び込んだらひたすら集中していました」と2016年リオデジャネイロ五輪以来、8年ぶりの大舞台でまず第一関門を突破した。 　前半50メートルを3位で折り返すと、後半は先行する選手を懸命に追いかけた。「隣の選手も速かったので、若干置いて行かれそうになった時に『うわ、大丈夫かな』と思った。でも今までのド根性の練習を思い出して、最後の最後でかみつくような勢いで食らいついた」とうなずいた。 　2012年のロンドン五輪は三つのメダルを獲得。そこから16年リオデジャネイロはメダルを逃し、21年東京は代表落選と苦しんだ。30歳を過ぎて迎える晴れ舞台には「最初の五輪で一番いい思いをしたけど、その後は苦しんだ。それを打破するほど、水泳人生の中で一番いい結果を目指す」と強い決意を示していた。 　練習拠点は今も母校の山梨学院大。18歳から神田忠彦監督に師事し、今も学生とともに練習する。回復力の低下には「年齢を感じるところは否めない」と笑うが「こんなはずじゃない。まだまだできる」と前を向いて励んできた。 　神田監督からは「学生と同じ練習ができなくなったら（競技を）やめなさい」と言われるが、今も豊富な練習量は変わらない。地元福岡で開催された昨夏の世界選手権に続く大舞台。「限界が見えない」と語る不屈のスイマーが、上々となる3度目の五輪のスタートを切った。 【#OTTOパリ五輪情報】