再会と別れ－阪神・佐藤輝明が2人の同期に送った「頑張れ」
【球界ここだけの話】待ち望んでいた再会と、突然の別れがあった。9月の終わりと10月の始まり。阪神・佐藤輝明内野手（25）はその両方を味わった。 【写真】〝神ドラフト〟と称される2020年のドラフト支配下契約選手たち 「楽しみっすね。（背番号98は）だいぶ、しぶいでしょ（笑）。頑張ってほしいですね」 9月30日のDeNA戦（甲子園）。同期の佐藤蓮が念願の1軍初昇格を果たした。ドラフト1位・佐藤輝を筆頭に、2位は伊藤将、5位に村上、そして6位が中野。〝神ドラフト〟と称される2020年のドラフト支配下契約選手において、最後に1軍昇格を果たしたのが佐藤蓮だった。 「三振狙ってほしいですね。それを言ったら（佐藤蓮が）『サードゴロ打たせる』って言っていたので、『やめてくれ』って言いましたけど」 ニヤリと笑って、〝サトレン〟の快投を願ったサトテル。期待通り、佐藤蓮は同日の七回に登板し、1回無安打、1奪三振の力投で1軍デビューを飾った。しかし、その一方でかなわなかった願いもあった。 「岩田はまだですけど、（1軍に）上がってきてほしいですね」 同期でただ一人の育成入団だった岩田は、10月1日に来季の戦力構想外を告げられた。突然訪れたまさかの別れ。さみしそうに佐藤輝は言った。 「どんなチャンスがあるか分からないし、そのチャンスをモノにできる力が（岩田には）あると思うので、本当に頑張ってほしいです」 岩田は現役続行を希望し、次は敵として同じ1軍の舞台で相対する可能性がある。「他球団になったら…。（左腕の岩田との対戦は）僕としては嫌ですね」。ジョークを言いながら、佐藤輝は頰笑んだ。ユニホームが変わっても、変わらない同期の絆がある。サトテルが2人に送った「頑張れ」のエールには、仲間への思いがあふれていた。（原田遼太郎）
