縄文期の出土品、文化財指定の相談受けた県職員が確認しようとしたら…穴掘って廃棄したことが発覚
山梨県西桂町教育委員会は29日、町内の遺跡から出土した縄文土器のかけらなど36箱分を、4月に町総合倉庫を片付けた際に誤廃棄していたと発表した。
誤廃棄したのは、いずれも縄文期の寺野遺跡、城屋敷遺跡、宮の前遺跡の出土品。休場遺跡の出土品も廃棄した可能性があるという。
県によると、宮の前遺跡からは、特殊な形状を持つ「釣手土器」が出土しており、県考古博物館(甲府市)が20年以上前から保管・展示している。町が釣手土器を県指定文化財にできないかと県に相談し、県職員が土器と一緒に出土した土器片を確認するために町を訪れて誤廃棄が判明した。穴を掘って埋めていたといい、町教委が回収作業を続けている。
町教委は29日に記者会見を開き、謝罪したうえで「古い公文書と同じ感覚で廃棄してしまった。貴重な文化財への認識がなく、職員間で情報共有もできていなかった」と話している。