49歳で国内復帰したプロボクサー恵良敏彦「世界を目指す」重度のヘルニア克服し東南アジアで実績を重ねて
49歳で日本ボクシングコミッション(JBC)のA級ボクサーライセンスを取得した恵良敏彦(陽光アダチ)が12日、大阪市内の所属ジムで会見し「年齢の壁を感じたことはない。世界を目指します」と意気込みを語った。 福岡県北九州市出身の恵良は19歳でプロデビュー。戦績3勝(1KO)1敗とした20歳で重度のヘルニアとなり引退した。その後に水泳トレーニングなど長いリハビリを経て、41歳でタイのボクサーライセンスを取得。同国のフライ~スーパーバンタム級まで4階級王座やインドネシアのフライ、スーパーフライ級王座、WBAアジアのフライ級王座などを獲得した。今年5月ごろにJBCへ復帰を申請。病院での各種検査を含む審査をクリアし、9月にJBCのA級ボクサーライセンスを発給された。 会社経営で生計を立て、18歳になる娘もいる。「ボクシングに大反対」の妻には、東南アジアでのプロボクサー活動を内緒にした時期があった。「友人がやっている、お茶の仕事を手伝うために出張する」。ウソをついて臨んだ試合で額に3カ所の大きな傷を負い「お茶の仕事で、こんな傷ができるわけないやろ!」と突っ込まれてバレた。娘からは最近「お父さん、格好いい」と好意的に応援されるそうだ。 恵良は「ボクシングをやりたくても、できない20年近い期間がいちばん苦しかった。35歳になって(まだプロボクサー復帰を目指し)周囲から“現実離れしている”“頭がおかしい”と思われていた。でも夢はあきらめたら終わってしまう。前へ向かって進むのが楽しい」などと思いを打ち明けた。タイでは当初、相手や階級を選べる立場ではなく、ライトフライ級からスーパーバンタム級まで幅広く活動した。今後はフライ、スーパーフライの両階級を主戦場とするつもりだ。 陽光アダチの安達哲夫会長(78)は「世界チャンピオンを目指す、チャンスを何とかつくりたい」と全面支援する構え。恵良が50歳となる来年の早い時期に国内復帰戦を用意する方針だ。