星占いで「株式市場」を予測できるのか? Z世代の一部はそう考えている(海外)
一部の若い投資家は、デイトレードの判断基準として占星術とタロットカードを使っている。 株式市場の動向は惑星や月の周回パターンと一致していると信じているからだ。 Z世代は占星術のことを、宗教と同じでアイデンティティが変化するなかでも内なる明晰さをもたらす何かととらえている。 幸運は勇敢な者に味方するとよく言われるが、新世代の若い投資家たちは、星の並びを知ることがすべてだと確信している。 だから、デイトレードで儲けを出すための主要な手段として、タロットカードや月の満ち欠け、あるいは占星術を利用するのだ。 その根本には、株式市場から惑星の回転にいたるまで、「あらゆるものすべてが循環する」という考え方がある。 「なぜ占星術かって? つまりは、過去の出来事から、次に何が起こるかを予測するということ。トレードとはそういうものだ。市場における過去の出来事にもとづいて、次に何が起こるかを、あるいは何かが何らかの形でほかの何かを引き起こすと予測する。なぜなら、市場とは循環するものだから」ソーシャルメディアのインフルエンサーとして「TJR」の呼び名で知られるトレーダーがTikTokビデオで語っている。「そう、だからある意味、私は占星術師だ」 それはつまり、取引をするのに適した時期や適さない時期がある、ということだ。 「星の動きが示す象徴は世界の出来事と関連している」と投稿ビデオで語ったのは「MAREN」と名乗るTikTokユーザーだ。彼女は月の周期と暗号通貨市場には関連があると説明する。「私は満月のときに買い、新月のときに売ることが多い」。そしてこう付け加えた。「これは私個人の戦略であって、アドバイスではない」 年上の世代は、経済的な決断においてそのような疑似科学的な方法を用いることに、ためらいを覚えるだろう。しかしZ世代では、占星術が主流ですらある。 パンデミックを通じて、「特定の土地あるいは宗教に結びついたアイデンティティの損失が促され、代わりにモバイルで流動的なアイデンティティが選ばれる傾向が強まった」と、ビハインド・ジーニアス・ヴェンチャーズ(Behind Genius Ventures)を共同創業したペイジ・ドハティ氏が 以前Business Insiderに語っている 。そのような変化の証拠として、彼女は「Co-Star」や「The Pattern」などのような 占星術アプリ が若者のあいだで人気を維持している点を指摘する。 要するに、占星術、タロットカード、あるいはほかの占いに頼るのは、ある意味で信仰行為なのである。 「占星術、タロット、直感などに深入りするにつれて、そこには相関関係があって、そのようなエネルギーの影響にさらされているのは私だけではないことがわかった」と、占星術師からデイトレーダーに転身した25歳のステファニア・ノヴァ氏が 『フォーチュン』で語っている 。 ハンドルネーム「@blonderwitch」でTikTokでも活動するノヴァ氏はあるビデオで、「直感と占星術」を利用することで、デイトレードを通じて5月だけでおよそ6000ドル(約97万円、1ドル=161円換算)を稼いだと語った。 「個人投資家」が増えつつあるなか、その多くは星を眺める投資家だ。少額の取引を行なう彼らアマチュア投資家の数は、過去10年で急増している。 ※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
Lakshmi Varanasi