アルコールバーナーが一体化した最強クッカー! 「トランギアに聞く、クッカーの基礎知識」【vol.04 ストームクッカー】
アウトドアで料理を楽しむ際、ぜひ持参したい「クッカー」。スウェーデンの老舗メーカー「トランギア」のフラッグシップモデルともいえるのが、「ストームクッカー」です。同社の製品を展開するイワタニ・プリムスの広報担当・鈴木伶氏に、その特徴や使い方についてお聞きしました。 【写真】アルコールバーナーと風防も備わるクッカーの機能性を見る(全3枚)
嵐の中でも使える「バーナー」一体型クッカー
キャンプで料理をする場合に欠かせないクッカーの中でも、トランギアの代名詞ともいわれているのが、「ストームクッカー」です。普通のクッカーとはどこがどう違うのでしょうか? 「ストームクッカーとは、バーナー一体型のクッカーのことです。通常のクッカーは焚き火やガスバーナーなどの火元の上に載せて使いますが、ストームクッカーはクッカーの下にアルコールバーナーと風防(風よけ)をあらかじめセットして使う形のものです。 ガスだと寒い時期や高い標高の場所では出力が落ちて火力が弱くなってしまうという弱点がありますが、アルコールなら気温や天候、標高に左右されづらく安定した火力が確保できます。嵐(ストーム)や強風の中でも使えるという意味で、ストームクッカーと名づけられました」 では、具体的にストームクッカーの構造を見ていきましょう。「ストームクッカーS」は1~2人分の調理に対応する、同サイズのソースパン2個とフライパンを組み合わせたセットです。
風が吹けば吹くほど火力が強まる
「3つのクッカーに、アルコールバーナーとゴトク兼ウインドシールド(風防)がセットになった、トランギアのフラッグシップモデルともいえる製品です。 1951年の誕生以来、ほぼ形を変えることなく生産が続けられています。穴の開いた独自のウインドシールドによって効率的に酸素を取り込む構造になっており、風が吹けば吹くほど火力が強まるよう設計されています」 使い方は、まずアルコールバーナーをバーナーベースの中央の穴にセットし、バーナーベースと風防、ゴトクを連結します。それからバーナーに燃料用アルコールの液体を注ぎ、点火します。 ソースパンはゴトクの内部のツメ部分にそのまま載せ、フライパンはそのツメを上に出してから載せます。ツメでしっかり固定されるので、安定感があります。 アルコールバーナーに付属している消火兼火力調整蓋のスライド部分を動かし、空き具合を調節することで火力の調整が可能です。スライド部分を閉じ、アルコールバーナー本体に被せれば消火できます。 「こちらもコンパクトに納まり、ケトルやビリーコッヘルとの組み合わせが可能です。誰にでも使いやすい単純な構造で、欧米ではお子さんへのアウトドアデビューのプレゼントとしてもよく使われています」 一見、中級者向きと思われがちですが、大人付き添いのもと、子どもでも使える製品なので、試してみる価値はありそうです。
ソトラバ編集部